クリニカルラダーの評価基準と評価方法

カラフルな石の階段
スポンサーリンク




多くの病院で活用されるようになったクリニカルラダー。看護師のキャリア開発にとって欠かせないものになってきました。また、看護師の人材育成や教育だけでなく、人事評価の一環としても活用されており、適用範囲は幅広いものとなっています。

一方で「ラダーの評価基準がわからない」「ラダーの評価をどのように行えばよいのかわからない」など、難しさを感じている声も少なくありません。

この記事では、クリニカルラダーを活用する場合の評価基準と評価方法についてわかりやすく解説します。

クリニカルラダーの評価基準

クリニカルラダーは公益社団法人日本看護協会を中心に、全国的に共通したものになってきています。基本的な評価基準は日本看護協会の評価基準をものをベースにして、独自の評価項目を作成している病院もあります。

基本的なコンセプトは、そう大きく変わるわけではないため、ここでは日本看護協会が推進している「JNAラダー」をベースにして解説していきます。

まずクリニカルラダーには、以下の4つで構成される基本的なコンセプトがあります。

クリニカルラダーを構成する4つの力を説明した図

公益社団法人日本看護協会のHP参考

意思決定を支える力

「意思決定を支える力」に関して日本看護協会は以下のように定義しています。

ケアの受け手が立ち会う場面(治療、最期の迎え方等)において、その人らしい選択ができるための意思決定を支える

ニーズをとらえる力

「ニーズをとらえる力」に関して日本看護協会は以下のように定義しています。

ケアの受け手をとらえ、判断し、その人に適した方略を選択する

ケアする力

「ケアする力」に関して日本看護協会は以下のように定義しています。

ケアの実施・評価を行う(PDCAサイクルや看護過程の展開)

協働する力

「協働する力」に関して日本看護協会は以下のように定義しています。

ケアの受け手を中心に情報やデータを多職種間で共有し、ケアの方向性を検討、連携する

 

クリニカルラダーを構成する4つの力に関するレベル別の段階的な到達目標は以下のようになります。

クリニカルラダーの評価基準を解説した図
スポンサーリンク

クリニカルラダーの評価における基本概念

クリニカルラダーを構成する4つの力を基盤として、評価に活用する基準として4つの基本概念があります。

ラダー評価を実施する場合には、以下の4つの基本概念に基づいて、各項目を作成していきます。レベル毎の一例を以下の表にまとめています。

クリニカルラダーの評価方法の原則を解説した図

レベルに応じた評価基準の詳細は以下のとおりになります。

レベルⅠ(新人)

到達目標指導を受けながら、基本的な看護を実践できる

指導を受けることによって、自己の学習課題を見つけることができる

看護実践能力看護実践周囲と良好な人間関係を構築することができる

患者を理解して患者・家族と良好な人間関係を構築することができる

看護過程の展開指導を受けながら、フィジカルアセスメントができる

指導を受けながら、看護診断を立案できる

指導を受けながら、看護計画を立案できる

実施したケアの評価をすることができる

組織的役割遂行能力管理各病棟および他部署の役割を理解できる

各病棟および他部署の業務内容を理解できる

医療安全や感染についての自己の役割を理解して指導を受け行動できる

倫理「看護者の倫理網領」の内容が理解できている
社会性患者・同僚・上司の考えや意見をよく聞き、尊重できる

部署の人と人間関係を築くためのコミュニケーションができる

自分の意見を他者に伝えることができる

安全・危機管理医療事故防止マニュアルに沿って実践できる

インシデントレポートを正しく報告できる

安全上の異変を報告・相談できる

防災設備の取り扱いができる

災害発生時、指示に従って行動できる

緊急事態を察知、判断ができて、応援を求めることができる

感染「感染予防対策マニュアル」の感染対策を確認できる

標準予防策が実践できる

無菌操作が実施できる

針刺し防止のための対策が実施できる

自己教育

研究能力

教育自己の看護観を表現できる

院内の教育プログラムに参加することができる

学習したことを報告できる

積極的な自己学習の必要性を理解できる

研究看護研究に意欲をもつことができる

レベルⅡ(一人前)

到達目標看護実践の場面において、自立して安全・確実な看護を実践できる

チームリーダー的な役割を自覚して、業務の責務を認識・実践できる

看護実践能力看護実践看護計画に基づいたケアを実践できる

カンファレンスでの患者情報を共有し実践に活用できる

自立した意思決定をすることができ、問題を解決できる

患者家族の反応を観ながら援助できる

看護過程の展開意図的な情報収集できる

フィジカルアセスメントができる

看護診断の立案できる

個別性のある看護計画を立案できる

看護過程における目標の達成度が評価できる

組織的役割遂行能力管理組織の一員としての役割を理解できる

自立して患者受け持ちができる

部署内で良好な人間関係を構築できる

新人に関心を持って、話を聞くことができる

倫理倫理要網を理解して行動できる

日常業務の中で自分の倫理的問題に気づくことができる

自分の倫理的問題を改善できる

社会性自分自身の感情、思考、行動の傾向を知ることができる

チーム内で円滑なコミュニケーションがとれる

関連する他部門、他職種の役割が理解できる

関連する他部門、他職種と連携できる

安全・危機管理医療事故防止マニュアルに基づいて安全な行為を常に実践できる

インシデントの情報を他者と共有できる

緊急事態の判断ができて、迅速に適切な対応ができる

災害発生時、マニュアルに沿って行動できる

感染患者の状況やに周囲の感染リスクに対応した感染対策が実施できる

標準予防策や感染経路別の予防策など感染対策の基本を新人に指導できる

自己教育

研究能力

教育自己の学習課題の達成に向けて積極的な活動を行うことができる

院内教育プログラムに参加できる

実施指導者としての役割がとれる

研究看護研究グループの一員として取り組むことができる

事例発表(ケーススタディ)に取り組み発表できる

レベルⅢ(中堅)

到達目標エビデンスに基づく看護実践ができ、組織的な役割を遂行できる

所属部署における看護実践の役割モデルとなれる

看護実践能力看護実践 熟練した看護技術でケアができ、他のメンバーに指導できる

個別性を考えて看護ケアの実践ができる

優先順位を考慮した看護実践ができる

看護ケアを評価して意識的にフィードバックできる

リソース(人・物・システム・制度)を活用し、ケアに活かすことができる

看護技術を他のメンバーに指導・共有できる

看護過程の展開 所属部署内で看護過程を指導できる

カンファレンスを開催して問題解決ができる

所属部署内で記録の指導ができる

組織的役割遂行能力管理 所属部署において専門的な能力を発揮し、指導的な役割を担うことができる

経済的な視点で物品や薬品、SPDシステムの運用や指導ができる

環境、物品、薬品の管理・運用ができる

倫理 倫理要綱を理解し行動でき、他者に指導できる

自立して患者を擁護し、代弁者として行動を起こすことができる

社会性 チームリーダーの役割が担える

チームリーダーとしての行動や接遇のモデルとなれる

患者や患者家族、上司や同僚と良好な人間関係を構築できる

他職種との信頼関係を構築でき、円満な連携をとれる

安全・危機管理 緊急事態に対応・指導ができる

危険や危機を察知して、防止策を事前に実施することができる

災害発生時にはマニュアルに沿って行動でき、他者への指導ができる

感染 患者の状況に合わせた感染対策が実施でき、他者にも指導できる

所属部署内における感染対策上の問題点を抽出できる

自己教育

研究能力

教育 自己の教育活動に積極的で主体的な実践ができる

教育活動において指導的な役割を担える

専門的な知識を活かして、後輩の教育と指導ができる

研究 主体的に研究活動を実践し発表することができる

看護研究において中心的な役割を担える

レベルⅣ(達人)

到達目標所属部署を超えて看護部内の問題を把握し、組織全体の目標達成に向かって行動できる

論理的な実践的知識を活用して、卓越した看護実践を行うことができる

豊富な知識と経験を活かして質の高い看護実践ができる

看護実践能力看護実践多種多様なアプローチを考慮して看護ケアを実践できる

看護実践においてスタッフの人的資源となれる

専門的な領域において教育的な役割がとれる

看護過程の展開看護過程を指導できる

看護過程を監査できる

組織的役割遂行能力管理経済効果を考慮した物品、薬品、環境の管理ができる

各病棟た他部署との連携を調整し、円滑な連携を推進することができる

医療安全や感染対策の防止策を検討し、実践、指導ができる

倫理倫理面において役割モデルとなれる

倫理要網を理解して行動でき、指導することができる

社会性看護部内を超えて円滑で良好なコミュニケーションをとれる

チームリーダーの支援ができる

行動や接遇のモデルとなり、指導もできる

安全・危機管理予測できる問題や危険に対して防止策を検討し、実施できる

事故事例の原因を分析でき、対策を実施できる

災害発生時においてリーダーシップがとれる

感染感染発生状況や感染対策の実態を正確に把握でき、改善するための対策がとれる

所属部署における感染対策をマニュアル化できる

自己教育

研究能力

教育単独で専門領域や質の高い看護について教育活動を実施できる

組織的な教育活動を実践し、指導できる

相手のレベルに応じた個別性のある教育活動を実践、指導できる

研究専門領域の看護研究を実践し、指導できる

看護研究を院内外を問わず発表できる

 

これら各レベルに応じた到達目標や項目を基準に評価を進めていきます。必要に応じて、病院独自に各項目を作成したり、より詳細な項目を設定する場合もあります。

何を重視して評価していくのか。その基準を評価者側がよく協議した上で、適切な基準の設定をしていきましょう。

クリニカルラダーの評価方法

レベルに応じた各項目を「S.A.B.C.D」の5段階で評価するのが基本です。

この場合における評価方法は以下のとおり。

「S」非常に良い

「A」良い

「B」普通

「C」努力を要する

「D」非常に努力を要する

これらの基準に応じて評価を行っていきます。病院によっては数字で1~5段階に評価している場合もあります。いずれにしても評価を正確に測定できればよいと思います。大切なのは評価基準にどれだけ到達できているかを計測できるか否かです。

そして評価は「自己評価」と「他者評価」を行います。

評価者側の一方的な「評価」だけでなく、被評価者となる本人にも自己評価をさせる必要があります。それによって、本人による自己評価を評価者側が知ることができると同時に、被評価者が自分自身の目標に対する進捗を自覚することができます。

本人による主観的な評価と評価者側の客観的な評価によって、相互の理解を深めると同時に、信頼関係の構築をはかることができます。

また、自分自身が主体的にキャリアを進めている実感をすることができ、積極的に自分の目標へ進んでいけるからです。

クリニカルラダーの評価方法を解説した図

1年に1度だけ面談するのではなく、3ヶ月~6ヶ月ごとに面談することが望ましいでしょう。それによって、段階的な進捗を把握できると同時に、より目標への到達を確実にしていくことができます。

目標管理シートで段階的な進捗を中間評価する

クリニカルラダーの評価は数ヶ月に1度は行うことが望ましいです。

4月5月にラダーをスタートした場合には、9月10月くらいには中間評価を実施し、目標の達成度・進捗具合をチェックします。

その際にはクリニカルラダーの目標管理シートを作成して、項目ごとの評価を行います。そうすることで現状の課題が明確になり、より確実に目標へ到達しやすくなります。

目標管理シートは病院によって様々な書式があります。年間の目標管理を1枚の用紙で管理する場合もあれば、中間評価ごとに目標管理シートを作成する場合などがあります。

原則的に院内で取り決められた書式に従い、目標管理と中間評価を実施するようにしましょう。

クリニカルラダーの目標管理シートの例 クリニカルラダーの目標管理の例

 

クリニカルラダーの最終的な評価へ

クリニカルラダーの評価は、最終的に評価者が実施します。評価者は主に被評価者が所属する部署の看護師長や副看護師長が行うことが多いと思います。

評価はクリニカルラダー評価表に記載していき、最終的な評価を判定します。前述したように評価は各項目ごとに(S.A.B.C.D)などの段階的評価を用います。

評価の際には評価表だけではなく、「課題レポート」「態度評価」等と共に行う場合が基本です。いずれにしてもこの段階での評価が、次のレベルに進むか否かが決定されます。

現在多くの施設で活用されているクリニカルラダー。日本看護協会は2025年までに共通化する目標を掲げています。

ラダーの段階的な評価指標や評価項目が共通化されても、評価基準や尺度が曖昧だと評価にバラつきが出てしまいます。この記事では、クリニカルラダーを評価する際のポイントと注意点をわかりやすく解説します。

クリニカルラダー制度の評価ポイント

クリニカルラダーの各段階における到達目標は、自己評価と他者評価によって評価します。施設によって評価の形式は様々ですが、一般的に下図のような流れで行われます。

 

クリニカルラダー評価のフロー図

 

ラダーの評価は自己評価と同僚・所属長による他者評価を行います。

評価というと何か難しく捉えてしまいがちですが、簡単に言うと以下の図の流れになります。

 

クリニカルラダーの目標と評価の関連図

 

ラダーの各段階における到達目標に基づいた個人目標を立て、その進捗を管理していきます。その過程において中間評価を行い、より目標に到達できるように助言や指導等をしていきます。

そして最終的に被評価者が到達目標に達しているかを評価することになります。

前述したように評価は基本的に自己評価と他者評価によって行われます。しかし、その過程で評価者と被評価者の間で面談を行い、相互評価の場を設けることをオススメします。

相互評価のメリットは、互いの評価のギャップを埋めることができることに加え、被評価者が現時点における課題を知る機会となることです。

施設によっては、評価者が被評価者を一方的に評価するだけに留まっていることがあります。しかし、本来ラダーの目的である看護職の能力開発、継続教育という観点からみると、一方向的な評価ではなく双方向的な評価が望ましいといえます。

クリニカルラダー評価の相互評価を説明する図

 

また、被評価者が自己評価を行うメリットとして、到達目標に責務を持たせることができるという点があります。ラダーは個人の能力開発や継続教育を通して、看護職としてのスキルアップや質の向上に繋がる取り組みでもあります。しかし、ときとして被評価者はラダーを上から押し付けられた義務のように感じることもあります。

そのため、目標の設定と自己評価を自ら行うことによって、自分の目標や日々の実践、看護業務そのものに責任を持つことが可能になるのです。

それでは次に、評価者がラダー評価を行う際の注意点を解説します。

クリニカルラダーシステムの評価者エラー

まず評価を行う際に最も重要なことは、何を評価するのかを確認することです。

基本的にクリニカルラダーは、到達目標が段階ごとに決まっています。到達目標とは、当然ながら「目標に到達しているか否か」が問われます。

この場合の「到達」という概念は、わりと評価者によってバラつきが出やすいものです。それはなぜかというと、人によって「能力」を評価する場合と「行動」を評価する場合とがあるからです。

評価で重要なのは「能力」を評価するのではなく「能力の活用」を評価することです。端的にいうと「やればできる」ではなく「やっているか」を評価するということです。

この基準が曖昧になっている場合は非常によくみられます。そしてその曖昧さは評価者によるバラつきを生み出し、「評価者エラー」へと繋がっていきます。

 

クリニカルラダーの評価基準と方法を解説した図

 

評価のバラつき等による評価者エラーは、看護職員にとって公平性や公正性に欠けた一貫性のないものに見えます。それによって、ラダーに対するモチベーション低下を生みやすくなり、目標の到達に向けた責務の低下をも生み出しかねません。

そのため、組織において評価会などを構成していく場合には、評価者研修等を実施して可能な限り評価基準と尺度、あるいは評価方法の統一をしましょう。

また、評価者エラーは組織的なものだけでなく、評価者それぞれ個人でも起こりやすいものです。

以下に代表的な11種類の評価者エラーを解説します。

クリニカルラダーシステムにおける評価者エラー

クリニカルラダーの評価者エラーを説明する図

 

①ハロー効果

ハロー効果による評価者エラーは、被評価者の特に優れた点(または劣っている点)の強い印象を受けてしまい、その他の評価にもバイアスがかかってしまう場合です。

ある一点の特徴に全体の評価が惑わされてしまい、ある特徴が優れているのだから他の部分も優れている”だろう”という評価をしてしまうことです。

②先入観

先入観による評価者エラーは、ある特定の属性(年齢、性別、学歴など)によって評価が著しく偏ってしまう場合などをいいます。

先入観による評価者エラーは、事実がどうであれ評価がすでに歪んだものになっており、適切な評価が行うことを阻害します。

③親近感

親近感による評価者エラーは、被評価者に対して評価者が何かの理由により公平な評価を行わない場合のことです。

例えば元々知り合いであったとか出身地、学歴が同じなどの場合です。つまり、評価者の個人的な感情が評価をする際に影響するということです。

④第一印象

第一印象による評価者エラーは、最初に接したときの印象を強く意識してしまったり、その印象にひきづられる形で評価してしまう場合をいいます。

第一印象は確かに後々まで強く印象に残るため、評価者は意識的に第一印象にひきづられないようにしましょう。

⑤帰属要因

帰属要因による評価者エラーは、例えば被評価者が同レベルの被評価者と比較して、とりわけ周囲のサポートを受けていた等の理由により評価を歪めてします場合です。

評価と直接的に関係のないことまで考慮してしまい、評価が適切に行えないことです。

⑥論理的誤謬

論理的誤謬による評価者エラーは、評価者独自の考え方や価値観によって評価してしまう場合です。

評価には一貫性と共に、信頼性と妥当性が求められるため、評価者の独断などによって評価を行うことは望ましくありません。

⑦近時点効果

近時点効果による評価者エラーとは、被評価者の「最近の状態」に強く印象が縛られてしまい、中長期的な評価が行いにくい状態になることです。

つまり、たまたま評価の時期に評価できないこと(あるいは評価できること)があった場合、その印象だけで評価をしてしまうようなことです。

⑧寛大化傾向

寛大化傾向による評価者エラーは、評価者によっては通常よりも甘い評価をしてしまうような場合です。

例えば評価者が複数人いる場合において、ある評価者は他の評価者よりも寛大な評価をしてしまうような場合における偏りです。

「到達目標には達していないけど、よく頑張っていた」というような理由によって評価していまい、公正で公平な評価が行われない場合です。

⑨厳格化傾向

厳格化傾向による評価者エラーは、寛大化傾向と逆のパターンで、評価者によって極めて厳しい評価をしてしまう場合です。

厳格であることは不必要ではありませんが、程度が過ぎたものである場合には評価者エラーになりえるので注意が必要です。

⑩対比誤差

対比誤差による評価者エラーとは、簡単に言うと「人と比べて評価する」場合です。

例えば新人看護師を評価する場合、入職した複数の新人と比較して「できる」「できない」といった評価をすることです。場合によっては評価者が自分の新人時代と比較したりする場合もあります。

定められた評価基準に基づかない評価は、評価エラーの原因となるので注意が必要です。

⑪中央化傾向

中央化傾向による評価者エラーは、被評価者が複数いる場合において、みな一律的な評価をしたりする場合です。

中央化傾向の評価者エラーは、評価者が評価に自信が持てなかったり、評価基準を理解できていない場合などによく起こります。

つまり、当たり障りのない評価をすることによって、評価の責務を逃れたいという感情などによって起こります。

クリニカルラダーの評価基準と評価方法

2017.11.04

まとめ

クリニカルラダーの評価は、単なる評価であるだけでなく、職員の能力開発や継続教育における基軸となる部分です。

評価によって被評価者は自分の課題を発見したり、具体的な目標の設計と実践を行うことができるようになります。そのため、評価を適切に行うことは、ラダーの活用と運用を進めていく上で非常に重要なものなのです。

到達目標や評価指標を共通化しても、評価にバラつきがあったり、評価者エラーがあればスタートは同じでもゴールが違うということになってしまいます。また、適切な評価が行われないことによって、被評価者である職員一人一人のモチベーションの低下にもなりえます。

そのため、ラダーの評価を行う場合には、事前に評価基準を明確にして、評価者の深い理解を必要とします。評価者研修等によって、評価の基準や方法を周知徹底し、深い理解と信頼に基づく評価を行うことが求めれます。

クリニカルラダーの評価基準や評価項目は、日本看護協会が提案しているモデルをベースにして、詳細を病院ごとに独自に作成される場合が多くみられます。

日本看護協会の「評価基準」に基づいて、「評価項目」を病院ごとに作成するということです。

クリニカルラダーを有効に活用するためには、適切な評価基準の設定と評価方法は欠かせない要素です。そのため、クリニカルラダーの評価をする場合には、基準と項目の作成および目標管理、そして評価方法を事前によく検討し協議した上で決定するようにしましょう。

【看護管理】クリニカルラダーとは~到達目標の設定と評価項目

2017.10.30

クリニカルラダー作成~例をつかって項目をつくる手順を解説します

2017.11.22

看護教育のOJTとOff-JT~意味の違いと進め方

2018.01.05

【医療安全】ノンテクニカルスキルとは~その意味と教育によるチーム医療の向上

2018.02.09
スポンサーリンク