看護必要度は、急性期一般病棟や地域包括ケア病棟、回復期リハビリ病棟などにおける看護の必要度を客観的に評価する仕組みです。2024年度診療報酬改定により、評価対象や評価方法の一部が見直されました。本稿では、A項目・B項目・C項目に共通するアセスメント事項の8項目について、最新の改定内容を踏まえて解説します。
目次
① 評価票の対象とは?
改定後の評価対象は以下のとおりです。
急性期一般入院基本料(ただし、許可病床数200床以上で急性期一般入院料1を届け出ている場合、または許可病床数400床以上で急性期一般入院料2〜5を届け出ている場合は除外)
7対1入院基本料、10対1入院基本料、13対1入院基本料
地域包括医療病棟入院料(新設・追加)
地域包括ケア病棟入院料
回復期リハビリテーション病棟入院料1
看護必要度加算、一般病棟看護必要度評価加算、急性期看護補助体制加算、夜間看護職員配置加算、看護補助加算
評価は原則、A項目(モニタリング・処置等)とB項目(患者の状況・ADL等)を毎日行うこととされています。ただし以下の特例があります。
地域包括ケア病棟・地域包括医療病棟:A項目のみを毎日評価
回復期リハビリ病棟入院料1:A項目を入院時のみ評価
また、2024年度改定により7対1病棟においてB項目は評価義務が残るものの、判定基準からは除外される点が重要な変更点です。
② 評価票の記入者とは?
評価票の記入は、院内研修を修了した者が行うこととされています。医師・薬剤師・理学療法士などが一部項目を評価する場合でも、院内で統一された研修を受けていることが必要です。
研修は直近の内容を用いることが望ましく、院内の研修指導者についても概ね3年以内に関係機関での研修を受講していることが推奨されています。
③ 評価項目の判断とは?
判断基準:厚生労働省が定めるアセスメント共通事項、B項目共通事項、各項目ごとの判断基準に従って実施する。
禁忌:独自の院内基準で評価しないこと。統一基準に基づくことが求められます。
④ 評価時刻とは?
原則:毎日「24時」を評価時刻とする。
退院日:退院時を評価時刻とする。
急変時:設定時刻以降に状態が悪化した場合は、記録をもとにその日の評価を修正可能となります。
⑤ 評価対象時間とは?
基本は0時〜24時の24時間
入院日:入院時からその日の24時まで
退院日:0時から退院時まで
外泊している患者はその日は評価対象外。ただし在棟時間があれば部分的に評価対象となります。
評価対象場所は当該病棟内であり、手術室や透析室での処置は含まれません(ただし放射線外部照射のみ対象)。
⑥(番号調整)評価基準の改定内容
2024年改定では、7対1病棟における判定基準が変更されました。
旧基準:A項目・B項目・C項目の合計で一定割合以上
新基準:B項目は除外、以下の2基準を両方満たす必要あり
基準①:A得点3点以上 or C得点1点以上
基準②:A得点2点以上 or C得点1点以上
⑦ 評価対象の処置・介助等とは?
当該病棟所属の看護師等による処置・介助のみ評価対象
医師単独で行った処置も、病棟看護師が確認し記録すれば評価可能
A項目:訓練や退院指導目的は評価対象外
B項目:訓練目的であっても看護師実施なら評価対象
薬剤投与は臨床試験であっても評価対象
⑧ 評価の根拠とは?
評価は観察と記録に基づき、推測を含めない
実施記録がない場合:
A項目=「なし」
B項目=最も自立度の高い評価
項目ごとの個別記録は不要だが、第三者が監査できる簡潔な経過記録が必要
まとめ:2024年改定のポイント
地域包括医療病棟入院料が新設・追加
7対1病棟でB項目は評価義務のみ残り、判定基準からは除外
ICU・HCU評価項目の削除・修正(輸液ポンプ管理削除、注射薬3種以上の管理など)
共通事項(評価者・時間・場所・根拠)は従来通り維持
参考:
厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要」
厚生労働省「重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」













