【看護必要度】B項目「患者の状況等」共通事項 全文 2018年改定 

病室のカーテン
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看護必要度B項目 患者の状況等

看護必要度B項目の概要図

B項目共通事項

  1. 義手・義足・コルセット等の装具を使用している場合には、装具を装着した後の状態に基づいて評価を行う。
  2. 評価時間帯のうちに状態が変わった場合には、自立度の低い方の状態をもとに評価を行うこと。
  3. 医師の指示によって、当該動作が制限されている場合には、「できない」又は「全介助」とする。この場合、医師の指示に係る記録があること。
  4. 当該動作が制限されていない場合には、動作を促し、観察した結果を評価すること。動作の確認をしなかった場合には、通常、介助が必要な状態であっても「できる」又は「介助なし」とする。
  5. ただし、動作が禁止されているにもかかわらず、患者が無断で当該動作を行ってしまった場合には「できる」とする。
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B1 床上安静の指示

【項目の定義】

医師の指示書やクリニカルパス等に、床上安静の指示が記録されているかどうかを評価する項目である。「床上安静の指示」は、ベッドから離れることが許可されていないことである。

【選択肢の判断基準】

なし」医師による指示書やクリニカルパス等に、床上安静の指示の記録がない。
あり」医師による指示書やクリニカルパス等に、床上安静の指示の記録がある。記録上「床上安静」という語句が使用されていなくても、「ベッド上フリー」「ベッド上ヘッドアップ30度まで可」等、ベッドから離れることが許可されていないことを意味する語句が指示内容として記録されている。

B2 どちらかの手を胸元まで持ち上げられる

【項目の定義】

「どちらかの手を胸元まで持ち上げられる」は、患者自身で自分の手を胸元までもっていくことができるかどうかを評価する項目である。ここでいう「胸元」とは、首の下くらいまでと定め、「手」とは手関節から先と定める。座位、臥位等の体位は問わない。

【選択肢の判断基準】

できる」いずれか一方の手を介助なしに胸元まで持ち上げられる。座位ではできなくても、臥位では持ち上げられる。
できない」上肢の安静、ギブス固定等の制限があり、自ら動かない、動かすことができない。関節拘縮により、もともと胸元に手がある。不随意運動等により手が偶然胸元まで上がったことが観察された。関節可動域が制限されているために介助しても持ち上げられない。

B3 寝返り

【項目の定義】
寝返りが自分でできるかどうか、あるいはベッド柵、ひも、バー、サイドレール等の何かにつかまればできるかどうかを評価する項目である。ここでいう『寝返り』とは、仰臥位から(左右どちらかの)側臥位になる動作である。

【選択肢の判断基準】
「できる」何にもつかまらず、寝返り(片側だけでよい)が1人でできる場合をいう。
「何かにつかまればできる」 ベッド柵、ひも、バー、サイドレール等の何かにつかまれば1人で寝返りができる場合をいう。
「できない」
介助なしでは1人で寝返りができない等、寝返りに何らかの介助が必要な場合をいう。

【判断に際しての留意点】
「何かにつかまればできる」状態とは、看護師等が事前に環境を整えておくことによって患者自身が1人で寝返りができる状態であり、寝返りの際に、ベッド柵に患者の手をつかまらせる等の介助を看護師等が行っている場合は「できない」となる。

B4 起き上がり

【項目の定義】

起き上がりが自分一人でできるかどうか、あるいはベッド柵、ひも、バー、サイドレール等、何かにつかまればできるかどうかを評価する項目である。ここでいう「起き上がり」とは、寝た状態(仰臥位)から上半身を起こす動作である。

【選択肢の判断基準】

できる」一人で起き上がることができる。ベッド柵、ひも、バー、サイドレール等につかまれば起き上がることが可能。電動ベッドを自分一人で操作して起き上がれる。起き上がる動作に時間がかかっても、補助具等を使って自力で起き上がることができる。

できない」医師の指示により、起き上がりを制限されていた場合。起き上がりに何らかの介助が必要(介助なしでは一人で起き上がることができない等)。途中まで自分一人でできても最後の部分に介助が必要。

B5 座位保持

【項目の定義】

座位の状態を保持できるかどうかを評価する項目である。ここでいう「座位保持」とは、上半身を起こして座位の状態を保持することである。「支え」とは、椅子、車椅子、ベッド等の背もたれ、患者自身の手による支持、あるいは他の座位保持装置等をいう。

【選択肢の判断基準】

できる」支えなしで座位が保持できる。

支えがあればできる」支えがあれば座位が保持できる。ベッド、車椅子等を背もたれとして座位が保持している。

できない」支えがあったり、ベルト等で固定しても座位が保持できない。医師の指示により、起き上がり、座位保持を制限されていた場合。

B6 移乗

【項目の定義】
移乗が自分でできるかどうか、あるいは看護師等が見守りや介助を行っているかどうかを評価する項目である。ここでいう『移乗』とは、「ベッドから車椅子へ」、「ベッドからストレッチャーへ」、「車椅子からポータブルトイレへ」等、乗り移ることである。

※2018年の診療報酬改定で「ベッドからポータブルトイレへ」から「車椅子からポータブルトイレへ」に変更されました。

【選択肢の判断基準】
「できる」 介助なしで移乗できる場合をいう。這って動いても、移乗が自分でできる場合も含む。
「見守り・一部介助が必要」 直接介助をする必要はないが事故等がないように見守る場合、あるいは自分では移乗ができないため他者が手を添える、体幹を支える等の一部介助が行われている場合をいう。ストレッチャーへの移動の際に、患者が自力で少しずつ移動できる場合、看護師等が危険のないように付き添う場合も「見守り・一部介助が必要」となる。
「できない」 自分では移乗が全くできないために、他者が抱える、運ぶ等の全面的に介助が行われている場合をいう。

【判断に際しての留意点】
患者が自分では動けず、イージースライダー等の移乗用具を使用する場合は「できない」となる。車椅子等への移乗の際に、立つ、向きを変える、数歩動く等に対して、患者自身も行い(力が出せており)、看護師等が介助を行っている場合は、「見守り・一部介助が必要」となる。医師の指示により、自力での移乗を制限されていた場合は「できない」とする。移乗が制限されていないにもかかわらず、看護師等が移乗を行わなかった場合は、「できる」とする。

【看護必要度】「移乗」と「寝返り」2018年改定

2017.07.21

B7 移動方法

【項目の定義】

「移動方法」は、ある場所から別の場所へ移る場合の方法を評価する項目である。※患者の能力ではなく、移動方法を選択する項目である。

【選択肢の判断基準】

介助を要しない移動」杖や歩行器等を使用せずに自力で歩行する場合。杖、手すり、歩行器等につかまって歩行する場合。車椅子を自力で操作して、自力で移動する場合。

介助を要する移動(搬送を含む)」搬送(車椅子、ストレッチャー等)を含み、介助によって移動する場合。本人が疲れているからと、自力走行を拒否し、車椅子介助で移動した場合。

B8 口腔清潔

【項目の定義】
口腔内を清潔にするための一連の行為が自分でできるかどうか、あるいは看護師等が見守りや介助を行っているかどうかを評価する項目である。一連の行為とは、歯ブラシやうがい用の水等を用意する、歯磨き粉を歯ブラシにつける等の準備、歯磨き中の見守りや指示、磨き残しの確認等も含む。口腔清潔に際して、車椅子に移乗する、洗面所まで移動する等の行為は、口腔清潔に関する一連の行為には含まれない。

【選択肢の判断基準】
「できる」 口腔清潔に関する一連の行為すべてが自分でできる場合をいう。
「できない」 口腔清潔に関する一連の行為のうち部分的、あるいはすべてに介助が行われている場合をいう。

【判断に際しての留意点】
口腔内の清潔には、『歯磨き、うがい、口腔内清拭、舌のケア等の介助から義歯の手入れ、挿管中の吸引による口腔洗浄、ポピドンヨード剤等の薬剤による洗浄』も含まれる。舌や口腔内の硼砂グリセリンの塗布、口腔内吸引のみは口腔内清潔に含まない。また、歯がない場合は、うがいや義歯の清潔等、口腔内の清潔に関する類似の行為が行われているかどうかに基づいて判断する。ただし、口腔清潔が制限されていないにも関わらず、看護師等が口腔清潔を行わなかった場合は、「できる」とする。

B9  食事摂取

【項目の定義】
食事介助の状況を評価する項目である。ここでいう食事摂取とは、経口栄養、経管栄養を含み、朝食、昼食、夕食、補食等、個々の食事単位で評価を行う。中心静脈栄養は含まれない。食事摂取の介助は、患者が食事を摂るための介助、患者に応じた食事環境を整える食卓上の介助をいう。厨房での調理、配膳、後片付け、食べこぼしの掃除、車椅子に座らせる、エプロンをかける等は含まれない。

【選択肢の判断基準】
「介助なし」介助・見守りなしに自分で食事が摂取できる場合をいう。箸やスプーンのほかに、自助具等を使用する場合も含まれる。食止めや絶食となっている場合は、介助は発生しないので「介助なし」とする。
「一部介助」必要に応じて、食事摂取の行為の一部を介助する場合をいう。また、食卓で食べやすいように配慮する行為(小さく切る、ほぐす、皮をむく、魚の骨をとる、蓋をはずす等)が行われている場合をいう。必要に応じたセッティング(食べやすいように配慮する行為)等、食事中に1つでも介助すれば「一部介助」とする。見守りや指示が必要な場合も含まれる。
「全介助」自分では全く食べることができず全面的に介助されている場合をいい、食事開始から終了までにすべてに介助を要した場合は「全介助」とする。

【判断に際しての留意点】
食事は、種類は問わず、一般(普通)食、プリン等の経口訓練食、水分補給食、経管栄養すべてをさし、摂取量は問わない。経管栄養の評価も、全面的に看護師等が行っている場合は「全介助」となり、患者が自立して1人で行った場合は「介助なし」となる。ただし、経口栄養と経管栄養のいずれも行っている場合は、「自立度の低い方」で評価する。家族が行った行為、食欲の観察は含めない。また、看護師等が行う、パンの袋切り、食事の温め、果物の皮むき、卵の殻むき等は「一部介助」とする。セッティングしても患者が食事摂取を拒否した場合は「介助なし」とする。

B10 衣服の着脱

【項目の定義】
衣服の着脱を看護師等が介助する状況を評価する項目である。衣服とは、患者が日常生活上必要とし着用しているものをいう。パジャマの上衣、ズボン、寝衣、パンツ、オムツ等を含む。

【選択肢の判断基準】
「介助なし」 介助なしに自分で衣服を着たり脱いだりしている場合をいう。また、当日、衣服の着脱の介助が発生しなかった場合をいう。自助具等を使って行っている場合も含む。
「一部介助」 衣服の着脱に一部介助が行われている場合をいう。例えば、途中までは自分で行っているが、最後に看護師等がズボン・パンツ等を上げている場合等は、「一部介助」に含む。看護師等が手を出して介助はしていないが、転倒の防止等のために、見守りや指示が行われている場合等も「一部介助」とする。
「全介助」 衣服の着脱の行為すべてに介助が行われている場合をいう。患者自身が、介助を容易にするために腕を上げる、足を上げる、腰を上げる等の行為を行っても、着脱行為そのものを患者が行わず、看護師等がすべて介助した場合も「全介助」とする。

【判断に際しての留意点】
衣服の着脱に要する時間の長さは判断には関係しない。通常は自分で衣服の着脱をしているが、点滴が入っているために介助を要している場合は、その介助の状況で評価する。

【看護必要度】「口腔清潔」「食事摂取」「衣服の着脱」2018年改定

2017.07.29

B11 他者への意思の伝達

【項目の定義】

患者が他者に何らかの意思伝達ができるかどうかを評価する項目である。背景疾患や伝達できる内容は問わない。

【選択肢の判断基準】

できる」常時、誰にでも確実に意思の伝達をしている。筆談、ジェスチャー等で意思伝達が図れる。

できる時とできない時がある」患者が家族等の他者に対して意思の伝達ができるが、その内容や状況等によって、できる時とできない時がある場合。家族には通じるが、看護職員等に通じない場合。

できない」どのような手段を用いても意思の伝達ができない。重度の認知症や意識障害等によって自発的な意思の伝達ができない場合。意思の伝達ができるか否かを判断できない場合等。

B12 診療・療養上の指示が通じる

【項目の定義】
指示内容や背景疾患は問わず、診療・療養上の指示に対して、理解でき実行できるかどうかを評価する項目である

【選択肢の判断基準】
「はい」 診療・療養上の指示に対して、適切な行動が常に行われている場合、あるいは指示通りでない行動の記録がない場合をいう。
「いいえ」診療・療養上の指示に対して、指示通りでない行動が1回でもみられた場合、かつ指示通りでない行動の記録がある場合をいう。

【判断に際しての留意点】
精神科領域、意識障害等の有無等、背景疾患は問わない。指示の内容は問わないが、あくまでも診療・療養上で必要な指示であり、評価日当日の指示であること、及びその指示が適切な時刻に行われた状態で評価されることを前提とする。医師の話を理解したように見えても、意識障害等により指示を理解できない場合や、自分なりの解釈を行い結果的に、療養上の指示から外れた行動をした場合は「いいえ」とする。少しでも反応があやふやであったり、何回も同様のことを言ってきたり、看護師等の指示と違う行動をするようであれば、「いいえ」と判断する。

※2018年の診療報酬改定で「評価日当日の指示であること」が加えられました。

B13 危険行動

【項目の定義】
患者の危険行動の有無を評価する項目である。ここでいう「危険行動」は、「治療・検査中のチューブ類・点滴ルート等の自己抜去、転倒・転落、自傷行為」の発生または「そのまま放置すれば危険行動に至ると判断する行動」を過去1週間以内の評価対象期間に看護職員等が確認した場合をいう。

※2018年の診療報酬改定によって「および」から「または」に変更されました。

【選択肢の判断基準】
「ない」 過去1週間以内に危険行動がなかった場合をいう。
「ある」過去1週間以内に危険行動があった場合をいう。

【判断に際しての留意点】
患者の危険行動にあたっては、適時のアセスメントと適切な対応、並びに日々の評価を前提としている。この項目は、その上で、なお発生が予測できなかった危険行動の事実とその対応の手間を評価する項目であり、対策をもたない状況下で発生している危険行動の有無を評価するものではない。認知症等の有無や、日常生活動作能力の低下等の危険行動を起こす疾患・原因等の背景や、行動の持続時間等の程度を判断の基準としない。なお、病室での喫煙や大声を出す・暴力を振るう等の、いわゆる迷惑行為は、この項目での定義における「危険行動」には含めない。

【看護必要度】「危険行動」「診療・療養上の指示が通じる」2018年改定

2017.07.24
参考
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引きより

【看護必要度】テスト問題 B項目「患者の状況等」 2018年改定

2017.09.05
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