看護必要度「点滴ライン同時3本以上の管理」を評価する
「点滴ライン同時3本以上の管理」の定義と判断基準・留意点
項目の定義
点滴ライン同時3本以上は、持続的に点滴ライン(ボトル、バッグ、シリンジ等から末梢静脈、中心静脈、動静脈シャント、硬膜外、動脈、皮下に対する点滴、持続注入による薬液、輸血・血液製剤の流入経路)を3本以上同時に使用し、看護師等が管理を行った場合に評価する項目である。
選択肢の判断基準
「なし」 同時に3本以上の点滴の管理を実施しなかった場合をいう。
「あり」 同時に3本以上の点滴の管理を実施した時間があった場合をいう。
判断に際しての留意点
「点滴ライン同時3本以上の管理」を評価する場合に確認すべきこと
この項目における注意点は、施行の回数や時間の長さ、注射針の刺入個所の数は問わない点です。
また、2つのボトルを連続管で連結させて1つのルートで滴下した場合は、1つの点滴ラインとして数えることも重要な点です。逆に1箇所に刺入されていても三方活栓などで接続された点滴ラインは本数に数えます。この判断は非常に間違えやすいので特に注意が必要です。
スワンガンツカテーテルの加圧バッグは、薬液の注入を目的としていないため本数には数えません。つまり、この項目で判断すべきなのは、前提として薬液の注入を目的としているか否かです。
「心電図モニターの管理」を評価する
「心電図モニターの管理」の定義と判断基準・留意点
項目の定義
心電図モニターの管理は、持続的に看護師等が心電図のモニタリングを実施した場合に評価する項目である。
選択肢の判断基準
「なし」 持続的な心電図のモニタリングを実施しなかった場合をいう。
「あり」 持続的な心電図のモニタリングを実施した場合をいう。
判断に際しての留意点
心電図の誘導の種類や心電図の誘導法の種類は問わない。機器の設置・準備・後片付けは含めない。心電図モニターの装着時間や回数は問わないが、医師の指示、心機能や呼吸機能障害を有する患者等に対して常時観察を行っている場合であって、看護師等による心電図の評価の記録が必要である。
心電図の機器による自動的な記録のみの場合は心電図モニターの管理の対象に含めない。心電図検査として一時的に測定を行った場合は含まない。ホルター心電図は定義に従い、看護師等による持続的な評価の記録がある場合に限り含める。
「心電図モニターの管理」を評価する場合に確認すべきこと
「心電図モニターの管理」の判断で注意したいのは、機器の設置、準備、後片付けを含めないことです。心電図モニターの管理とは、心電図のモニタリングをすることであり機器の管理をすることではありません。
また、医師の指示、心機能や呼吸機能障害を有する患者に対してモニタリングをしている場合、医師の指示、看護師等による評価の記録が必要になります。
心電図測定で一時的な測定を行った場合は「なし」となるので注意しましょう。
まとめ
「点滴ライン同時3本以上の管理」のまとめ
点滴に関する項目では、実施した時間の長さや回数は問われないので注意しましょう。また、「同時3本以上」とはボトルの数ではなく、あくまでもラインの数が基準となるので確認の上、しっかり評価することが大切です。
そして、薬剤の注入を目的としていない場合は、ラインの数には含まれないという点も重要です。
「心電図モニターの管理」のまとめ
心電図モニターの管理とは機器の準備等のことではなく、心電図の評価記録を管理することを指します。そのため、医師の指示、看護師などの記録が必要となることを忘れずに評価しましょう。
また、検査などの一時的な測定は含まれないこと、そしてホルター心電図は看護師などによる持続的な評価記録が必要であることに留意しましょう。