- 看護必要度B項目「移動方法」を評価する
目次
「移動方法」の定義と判断基準・留意点
項目の定義
「移動方法」は、ある場所から別の場所へ移る場合の方法を評価する項目である。
選択肢の判断基準
「介助を要しない移動」→自力で移動する場合
「介助を要する移動(搬送を含む)」→介助によって移動する場合
判断に際しての留意点
「介助を要しない移動」とは具体的に以下の場合をいう。
- 杖や歩行器等を使用せずに自力で歩行する場合
- 杖、手すり、歩行器等につかまって歩行する場合
- 車椅子を自力で操作して、自力で移動する場合
「介助を要する移動」とは具体的に以下の場合をいう。
- 搬送(車椅子、ストレッチャー等)を含み、介助によって移動する場合
- 本人が「疲れているから」と、自力走行を拒否して車椅子介助で移動した場合
起き上がりを評価する場合に確認すべきこと
看護必要度の「移動方法」は患者の能力を評価するのではなく、移動方法を選択(評価)する項目である。
看護必要度B項目「他者への意思の伝達」を評価する
「他者への意思の伝達」の定義と判断基準・留意点
項目の定義
「他者への意思の伝達」は、患者が他者に何らかの意思伝達ができるかどうかを評価する項目である。
選択肢の判断基準
「できる」→常時、誰にでも確実に意思の伝達をしている
「できる時とできない時がある」→内容や状況によって、できる時とできない時がある場合
「できない」→どのような手段を用いても意思の伝達ができない
判断に際しての留意点
筆談やジェスチャーなどを用いれば意思の伝達が図れる場合にも「できる」と評価する。
患者が家族等の他者に対して意思の伝達ができるが、その内容や状況によって、できる時とできない時がある場合は「できる時とできない時がある」と評価する。また、家族には通じるが、看護職員などには通じない場合にも「できる時とできない時がある」と評価する。
「できない」という評価は具体的に以下の場合などをいう。
- どのような手段を用いても意思の伝達ができない場合
- 重度の認知症や意識障害によって自発的な意思の伝達ができない場合
- 意思の伝達ができるかどうか判断できない場合など
起き上がりを評価する場合に確認すべきこと
看護必要度における「他者への意思の伝達」の評価では、背景疾患や伝達できる内容に関しては問われないので注意が必要。