【看護必要度】「蘇生術の施行」「輸液ポンプの管理」2024年改定

病院の長い廊下

A項目「蘇生術の施行」を評価する

項目の定義

「蘇生術の施行」とは、以下のいずれかが蘇生を目的として施行された場合に評価する。

  • 気管内挿管

  • 気管切開術

  • 人工呼吸器装着

  • 除細動

  • 心マッサージ

判断基準

  • 「なし」 蘇生術の施行がなかった場合。

  • 「あり」 上記いずれかの蘇生術が施行された場合。

判断に際しての留意点

  • 評価は当該病棟で施行された場合に限る。手術室・救急外来など病棟以外で実施された場合は評価対象外。

  • 「人工呼吸器装着」は、これまで装着していない患者に対し、蘇生のために新たに装着した場合のみ対象

  • 蘇生以外の目的(呼吸管理・長期管理など)の人工呼吸器使用は、別項目「人工呼吸器の装着(A-10)」で評価される。

評価のポイント

  • 人工呼吸器の装着は**「蘇生目的」かどうか**で判断を誤りやすい。

  • 蘇生のための挿管や除細動、心マッサージは、実施の有無で評価し、時間や回数は問わない

A項目「輸液ポンプの管理」を評価する

項目の定義

「輸液ポンプの管理」とは、以下の部位に対して行われる持続注入を輸液ポンプを用いて実施し、かつ看護職員が投与時間・投与量を管理している場合に評価する。

  • 末梢静脈

  • 中心静脈

  • 硬膜外

  • 動脈

  • 皮下

評価対象となるのは、静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入である。

判断基準

  • 「なし」 輸液ポンプを使用していない、または使用していても管理していない場合。

  • 「あり」 輸液ポンプを使用し、看護職員が投与時間・投与量を管理している場合。

判断に際しての留意点

  • 輸液ポンプに薬液をセットしていても作動させていなければ「なし」

  • 灌流や患部洗浄に用いた場合も評価対象外。

  • 携帯用の輸液ポンプも対象となるが、**投与時間と投与量を看護師等が管理し、持続的に注入している場合のみ「あり」**とする。

評価のポイント

  • 「輸液ポンプを装着=自動的にあり」ではなく、管理の有無が評価の分かれ目。

  • 一時的なボーラス注入や作動していない場合は対象外となる。

まとめ(2024年改定のポイント)

項目2022年改定内容2024年改定(最新)
蘇生術の施行蘇生目的で挿管・除細動・心マッサージ等を評価継続。定義・基準に変更なし
評価場所の制限病棟内のみ評価、手術室や救急外来は除外継続
人工呼吸器の扱い蘇生目的なら対象、管理目的は別項目で評価継続
輸液ポンプの管理投与量・時間を看護師が管理している場合を評価継続
ポンプの対象携帯用も含むが、管理要件を満たす場合のみ継続

結論

2024年改定では、「蘇生術の施行」「輸液ポンプの管理」ともに基本的な評価枠組みは維持された。

  • 蘇生術では、蘇生目的での施行かどうかが最大のポイント。

  • 輸液ポンプでは、実際に稼働し、かつ看護師等が投与量・投与時間を管理しているかが判断の決め手となる。

これらは現場で誤解されやすい項目であるため、評価者間での認識統一と教育が求められる。

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