【看護必要度】特定集中治療室(ICU)2018年改定

特定集中治療室のベッド
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看護必要度「特定集中治療室(ICU)」の評価全項目

特定集中治療室(ICU)のA項目

1 心電図モニターの管理

看護必要度A項目「心電図モニター」説明図
【項目の定義】


心電図モニターの管理は、持続的に看護師等が心電図のモニタリングを実施した場合に評価する項目である。

【選択肢の判断基準】


なし」 持続的な心電図のモニタリングを実施しなかった場合をいう。
あり」 持続的な心電図のモニタリングを実施した場合をいう。

【判断に際しての留意点】

心電図の誘導の種類や心電図の誘導法の種類は問わない。機器の設置・準備・後片付けは含めない。

心電図モニターの装着時間や回数は問わないが、医師の指示、心機能や呼吸機能障害を有する患者等に対して常時観察を行っている場合であって、看護師等による心電図の評価の記録が必要である。

心電図の機器による自動的な記録のみの場合は心電図モニターの管理の対象に含めない。心電図検査として一時的に測定を行った場合は含まない。ホルター心電図は定義に従い、看護師等による持続的な評価の記録がある場合に限り含める。

2 輸液ポンプの管理

「輸液ポンプの管理」の説明図
【項目の定義】

輸液ポンプの管理は、末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して、静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたり輸液ポンプを使用し、看護職員が使用状況(投与時間、投与量等)を管理している場合に評価する項目である。

【選択肢の判断基準】

なし」末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたり輸液ポンプの管理をしなかった場合をいう。

あり」末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたり輸液ポンプの管理をした場合をいう。

【判断に際しての留意点】

末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して、静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたり輸液ポンプにセットしていても、作動させていない場合や、灌流等患部の洗浄に使用している場合には使用していないものとする。
携帯用であっても輸液ポンプの管理に含めるが、看護職員が投与時間と投与量の両方の管理を行い、持続的に注入している場合のみ含める。

3 動脈圧測定(動脈ライン)

「動脈圧測定」の説明図
【項目の定義】

動脈圧測定は、動脈ラインを挿入し、そのラインを介して直接的に動脈圧測定を実施した場合を評価する項目である。

【選択肢の判断基準】

なし」動脈圧測定を実施していない場合をいう。
あり」動脈圧測定を実施している場合をいう。

4 シリンジポンプの管理

看護必要度A項目「シリンジポンプの管理」の説明図
【項目の定義】


シリンジポンプの管理は、末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して、静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたりシリンジポンプを使用し、看護師等が使用状況(投与時間、投与量等)を管理している場合に評価する項目である。

【選択肢の判断基準】


なし」 末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたりシリンジポンプの管理をしなかった場合をいう。

あり」 末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたりシリンジポンプの管理をした場合をいう。

【判断に際しての留意点】

末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して、静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入をシリンジポンプにセットしていても、作動させていない場合には使用していないものとする。携帯用であってもシリンジポンプの管理の対象に含めるが、PCA(自己調節鎮痛法)によるシリンジポンプは、看護師等が投与時間と投与量の両方の管理を行い、持続的に注入している場合のみ含める。

5 中心静脈圧測定(中心静脈ライン)

「中心静脈圧測定」の説明図
【項目の定義】

中心静脈圧測定は、中心静脈ラインを挿入し、そのラインを介して直接的に中心静脈圧測定を実施した場合を評価する項目である。

【選択肢の判断基準】

なし」中心静脈圧測定(中心静脈ライン)を実施していない場合をいう。
あり」中心静脈圧測定(中心静脈ライン)を実施している場合をいう。

【判断に際しての留意点】

スワンガンツカテーテルによる中心静脈圧測定についても中心静脈圧測定(中心静脈ライン)の対象に含める。
中心静脈圧の測定方法は、水柱による圧測定、圧トランスデューサーによる測定のいずれでもよい。

6 人工呼吸器の管理

「人工呼吸器の装着」の説明図
【項目の定義】

人工呼吸器の管理は、人工換気が必要な患者に対して、人工呼吸器を使用し管理した場合を評価する項目である。

【選択肢の判断基準】

なし」人工呼吸器を使用していない場合をいう。
あり」人工呼吸器を使用している場合をいう。

【判断に際しての留意点】

人工呼吸器の種類や設定内容、あるいは気道確保の方法については問わないが、看護職員等が、患者の人工呼吸器の装着状態の確認、換気状況の確認、機器の作動確認等の管理を実施している必要がある。

また、人工呼吸器の使用に関する医師の指示が必要である。NPPV(非侵襲的陽圧換気)の実施は含める。

7 輸血や血液製剤の管理

看護必要度A項目「輸血や血液製剤の管理」の説明図
【項目の定義】


輸血や血液製剤の管理は、輸血(全血、濃厚赤血球、新鮮凍結血漿等)や血液製剤(アルブミン製剤等)の投与について、血管を通して行った場合、その投与後の状況を看護師等が管理した場合に評価する項目である。

【選択肢の判断基準】


なし」 輸血や血液製剤を使用状況の管理をしなかった場合をいう。
あり」 輸血や血液製剤を使用状況の管理をした場合をいう。

【判断に際しての留意点】
輸血、血液製剤の種類及び単位数については問わないが、腹膜透析や血液透析は輸血や血液製剤の管理の対象に含めない。自己血輸血、腹水を濾過して輸血する場合は含める。

8 肺動脈圧測定(スワンガンツカテーテル)

「肺動脈圧測定」の説明図
【項目の定義】

肺動脈圧測定は、スワンガンツカテーテルを挿入し、そのカテーテルを介して直接的に肺動脈圧測定を実施した場合を評価する項目である。

【選択肢の判断基準】

なし」肺動脈圧測定を実施していない場合をいう。
あり」肺動脈圧測定を実施している場合をいう。

【判断に際しての留意点】

スワンガンツカテーテル以外の肺動脈カテーテルによる肺動脈圧測定についても肺動脈圧測定の評価に含める。

9 特殊な治療法等

「特殊な治療法等」の説明図
【項目の定義】

特殊な治療法等は、CHDF(持続的血液濾過透析)、IABP(大動脈バルーンパンピング)、PCPS(経皮的心肺補助法)、補助人工心臓、ICP(頭蓋内圧)測定,ECMO(経皮的肺補助法)を実施した場合を評価する項目である。

【選択肢の判断基準】

なし」特殊な治療法等のいずれも行っていない場合をいう。
あり」特殊な治療法等のいずれかを行っている場合をいう。

 

特定集中治療室(ICU)のB項目

10 寝返り

「寝返り」の説明図
【項目の定義】

寝返りが自分でできるかどうか、あるいはベッド柵、ひも、バー、サイドレール等の何かにつかまればできるかどうかを評価する項目である。ここでいう『寝返り』とは、仰臥位から(左右どちらかの)側臥位になる動作である。

【選択肢の判断基準】


できる何にもつかまらず、寝返り(片側だけでよい)が1人でできる場合をいう。

何かにつかまればできる ベッド柵、ひも、バー、サイドレール等の何かにつかまれば1人で寝返りができる場合をいう。


できない
 介助なしでは1人で寝返りができない等、寝返りに何らかの介助が必要な場合をいう。

【判断に際しての留意点】


「何かにつかまればできる」状態とは、看護師等が事前に環境を整えておくことによって患者自身が1人で寝返りができる状態であり、寝返りの際に、ベッド柵に患者の手をつかまらせる等の介助を看護師等が行っている場合は「できない」となる。

11 移乗

「移乗」の説明図
【項目の定義】


移乗が自分でできるかどうか、あるいは看護師等が見守りや介助を行っているかどうかを評価する項目である。ここでいう「移乗」とは、「ベッドから車椅子へ」、「ベッドからストレッチャーへ」、「ベッドからポータブルトイレへ」等、乗り移ることである。

【選択肢の判断基準】


できる 介助なしで移乗できる場合をいう。這って動いても、移乗が自分でできる場合も含む。

見守り・一部介助が必要 直接介助をする必要はないが事故等がないように見守る場合、あるいは自分では移乗ができないため他者が手を添える、体幹を支える等の一部介助が行われている場合をいう。ストレッチャーへの移動の際に、患者が自力で少しずつ移動できる場合、看護師等が危険のないように付き添う場合も「見守り・一部介助が必要」となる。

できない 自分では移乗が全くできないために、他者が抱える、運ぶ等の全面的に介助が行われている場合をいう。

【判断に際しての留意点】


患者が自分では動けず、イージースライダー等の移乗用具を使用する場合は「できない」となる。車椅子等への移乗の際に、立つ、向きを変える、数歩動く等に対して、患者自身も行い(力が出せており)、看護師等が介助を行っている場合は、「見守り・一部介助が必要」となる。

医師の指示により、自力での移乗を制限されていた場合は「できない」とする。移乗が制限されていないにもかかわらず、看護師等が移乗を行わなかった場合は、「できる」とする。

12 口腔清潔

看護必要度B項目の口腔清潔を解説した図
【項目の定義】


口腔内を清潔にするための一連の行為が自分でできるかどうか、あるいは看護師等が見守りや介助を行っているかどうかを評価する項目である。

一連の行為とは、歯ブラシやうがい用の水等を用意する、歯磨き粉を歯ブラシにつける等の準備、歯磨き中の見守りや指示、磨き残しの確認等も含む。口腔清潔に際して、車椅子に移乗する、洗面所まで移動する等の行為は、口腔清潔に関する一連の行為には含まれない。

【選択肢の判断基準】


できる 口腔清潔に関する一連の行為すべてが自分でできる場合をいう。

できない 口腔清潔に関する一連の行為のうち部分的、あるいはすべてに介助が行われている場合をいう。

【判断に際しての留意点】


口腔内の清潔には、『歯磨き、うがい、口腔内清拭、舌のケア等の介助から義歯の手入れ、挿管中の吸引による口腔洗浄、ポピドンヨード剤等の薬剤による洗浄』も含まれる。

舌や口腔内の硼砂グリセリンの塗布、口腔内吸引のみは口腔内清潔に含まない。また、歯がない場合は、うがいや義歯の清潔等、口腔内の清潔に関する類似の行為が行われているかどうかに基づいて判断する。

ただし、口腔清潔が制限されていないにも関わらず、看護師等が口腔清潔を行わなかった場合は、「できる」とする。

13 食事摂取

【項目の定義】


食事介助の状況を評価する項目である。ここでいう食事摂取とは、経口栄養、経管栄養を含み、朝食、昼食、夕食、補食等、個々の食事単位で評価を行う。中心静脈栄養は含まれない。

食事摂取の介助は、患者が食事を摂るための介助、患者に応じた食事環境を整える食卓上の介助をいう。厨房での調理、配膳、後片付け、食べこぼしの掃除、車椅子に座らせる、エプロンをかける等は含まれない。

【選択肢の判断基準】


介助なし介助・見守りなしに自分で食事が摂取できる場合をいう。箸やスプーンのほかに、自助具等を使用する場合も含まれる。食止めや絶食となっている場合は、介助は発生しないので「介助なし」とする。

一部介助必要に応じて、食事摂取の行為の一部を介助する場合をいう。また、食卓で食べやすいように配慮する行為(小さく切る、ほぐす、皮をむく、魚の骨をとる、蓋をはずす等)が行われている場合をいう。必要に応じたセッティング(食べやすいように配慮する行為)等、食事中に1つでも介助すれば「一部介助」とする。見守りや指示が必要な場合も含まれる。

全介助自分では全く食べることができず全面的に介助されている場合をいい、食事開始から終了までにすべてに介助を要した場合は「全介助」とする。

【判断に際しての留意点】


食事は、種類は問わず、一般(普通)食、プリン等の経口訓練食、水分補給食、経管栄養すべてをさし、摂取量は問わない。経管栄養の評価も、全面的に看護師等が行っている場合は「全介助」となり、患者が自立して1人で行った場合は「介助なし」となる。ただし、経口栄養と経管栄養のいずれも行っている場合は、「自立度の低い方」で評価する。

家族が行った行為、食欲の観察は含めない。また、看護師等が行う、パンの袋切り、食事の温め、果物の皮むき、卵の殻むき等は「一部介助」とする。セッティングしても患者が食事摂取を拒否した場合は「介助なし」とする。

14 衣服の着脱

看護必要度B項目の衣服の着脱を解説した図
【項目の定義】


衣服の着脱を看護師等が介助する状況を評価する項目である。衣服とは、患者が日常生活上必要とし着用しているものをいう。パジャマの上衣、ズボン、寝衣、パンツ、オムツ等を含む。

【選択肢の判断基準】


介助なし 介助なしに自分で衣服を着たり脱いだりしている場合をいう。また、当日、衣服の着脱の介助が発生しなかった場合をいう。自助具等を使って行っている場合も含む。

一部介助 衣服の着脱に一部介助が行われている場合をいう。例えば、途中までは自分で行っているが、最後に看護師等がズボン・パンツ等を上げている場合等は、「一部介助」に含む。看護師等が手を出して介助はしていないが、転倒の防止等のために、見守りや指示が行われている場合等も「一部介助」とする。

全介助 衣服の着脱の行為すべてに介助が行われている場合をいう。患者自身が、介助を容易にするために腕を上げる、足を上げる、腰を上げる等の行為を行っても、着脱行為そのものを患者が行わず、看護師等がすべて介助した場合も「全介助」とする。

【判断に際しての留意点】


衣服の着脱に要する時間の長さは判断には関係しない。通常は自分で衣服の着脱をしているが、点滴が入っているために介助を要している場合は、その介助の状況で評価する。

15 診療・療養上の指示が通じる

看護必要度B項目の「診療・療養上の指示が通じる」を解説した図
【項目の定義】


指示内容や背景疾患は問わず、診療・療養上の指示に対して、理解でき実行できるかどうかを評価する項目である

【選択肢の判断基準】


はい 診療・療養上の指示に対して、適切な行動が常に行われている場合、あるいは指示通りでない行動の記録がない場合をいう。

いいえ診療・療養上の指示に対して、指示通りでない行動が1回でもみられた場合、かつ指示通りでない行動の記録がある場合をいう。

【判断に際しての留意点】


精神科領域、意識障害等の有無等、背景疾患は問わない。指示の内容は問わないが、あくまでも診療・療養上で必要な指示であること、及びその指示が適切な時刻に行われた状態で評価されることを前提とする。

医師の話を理解したように見えても、意識障害等により指示を理解できない場合や、自分なりの解釈を行い結果的に、療養上の指示から外れた行動をした場合は「いいえ」とする。

少しでも反応があやふやであったり、何回も同様のことを言ってきたり、看護師等の指示と違う行動をするようであれば、「いいえ」と判断する。

16 危険行動

看護必要度B項目の危険行動を解説した図
【項目の定義】


患者の危険行動の有無を評価する項目である。ここでいう「危険行動」は、「治療・検査中のチューブ類・点滴ルート等の自己抜去、転倒・転落、自傷行為」及び看護師等が「そのまま放置すれば危険行動に至ると判断する行動」が確認された場合をいう。

【選択肢の判断基準】


ない 過去1週間以内に危険行動がなかった場合をいう。

ある過去1週間以内に危険行動があった場合をいう。

【判断に際しての留意点】


患者の危険行動にあたっては、適時のアセスメントと適切な対応、並びに日々の評価を前提としている。

この項目は、その上で、なお発生が予測できなかった危険行動の事実とその対応の手間を評価する項目であり、対策をもたない状況下で発生している危険行動の有無を評価するものではない。

認知症等の有無や、日常生活動作能力の低下等の危険行動を起こす疾患・原因等の背景や、行動の持続時間等の程度を判断の基準としない。

なお、病室での喫煙や大声を出す・暴力を振るう等の、いわゆる迷惑行為は、この項目での定義における「危険行動」には含めない。

【看護必要度】A項目B項目C項目アセスメント共通事項 2018年改定

2017.06.17

【看護必要度】「人工呼吸器の管理」「特殊な治療法等」2018年改定

2017.08.11

看護必要度「動脈圧測定」「中心静脈圧測定」「肺動脈圧測定」2018年改定

2017.08.10

【看護必要度】「移乗」と「寝返り」2018年改定

2017.07.21

【看護必要度】「口腔清潔」「食事摂取」「衣服の着脱」2018年改定

2017.07.29

【看護必要度】「危険行動」「診療・療養上の指示が通じる」2018年改定

2017.07.24
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