C項目「手術等の医学的状況」は、患者が手術や侵襲的治療を受けた医学的状況を評価する項目です。2024年度(令和6年度)診療報酬改定では、急性期一般入院料1においてはA項目とC項目で重症度を判定する方式に変更され、B項目が判定基準から除外されました。このため、C項目の重要性がさらに増しています。
以下に、C項目共通事項と各対象手術・治療を整理します。
目次
C項目 共通事項(2024年度版)
検査のみは評価対象外
手術や処置を伴わない単なる検査は評価しない。一連の再手術は初回のみ評価
同一疾患に起因する一連の再手術は初回のみ評価対象。評価期間は術当日を含む
「術当日から○日間」は術当日を1日目として数える。手術場所の範囲
同一医療機関内で行われた場合は評価対象とする。同一日の複数手術
複数行った場合は「主たる病名に起因する手術」で評価。異なる日の手術
実施日が異なれば、それぞれの手術日から評価可能。
C1 開頭手術(13日間)
定義:開頭により頭蓋内(硬膜外を含む)に達する方法で行われた手術。
評価期間:術当日を含め13日間。
除外:穿頭術・内視鏡下手術は含まない。
C2 開胸手術(12日間)
定義:胸壁切開により胸腔(縦隔を含む)に達する手術。
評価期間:術当日を含め12日間。
除外:胸腔鏡下の手術は含まない。
C3 開腹手術(7日間)
定義:腹壁切開により腹腔・骨盤腔内の臓器に達する手術(後腹膜腔も含む)。
評価期間:術当日を含め7日間。
除外:腹腔鏡下の手術は含まない。
C4 骨の手術(11日間)
定義:骨切り・骨切除・移植、関節置換術、脊椎固定術、骨悪性腫瘍手術など。
評価期間:術当日を含め11日間。
含まれない例:抜釘術、腱手術(切離・移植・縫合等)、関節鏡下滑膜切除術など。
含まれる例:頭頸部骨切除、顎骨悪性腫瘍手術、アブミ骨摘出術など。
C5 胸腔鏡・腹腔鏡手術(5日間)
定義:胸腔鏡下で胸腔・縦隔に達する手術、または腹腔鏡下で腹腔・骨盤腔に達する手術。
評価期間:術当日を含め5日間。
C6 全身麻酔・脊椎麻酔の手術(5日間)
定義:C1〜C5に含まれないもので、全身麻酔または脊椎麻酔下で行われた手術。
評価期間:術当日を含め5日間。
C7 救命等に係る内科的治療
① 経皮的血管内治療(5日間)
経皮的脳血管治療、t-PA療法、冠動脈カテーテル治療、ステントグラフト、緊急止血術など。
検査のみは除外。
② 経皮的心筋焼灼術・デバイス植込み(5日間)
経皮的心筋焼灼術、体外ペーシング、ペースメーカー・除細動器植込み。
交換術は含まない。体外ペーシングは入院中初回2日間のみ評価。
③ 侵襲的消化器治療(5日間)
内視鏡による胆道・膵管治療、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、肝RFA、緊急止血術など。
内視鏡的ポリープ切除術・慢性疾患の予定止血は除外。
看護必要度C項目のKコード一覧
こちらが、2024年度(令和6年度)診療報酬改定における 看護必要度C項目「手術等の医学的状況」 の評価区分(Kコードとして扱われる項目名称と評価期間)の一覧です。
C項目「手術等の医学的状況」2024年度改定版
| 区分コード | 評価名称 | 評価期間(術当日含む) |
| C1 | 開頭手術(頭蓋内に達する手術) | 13日間 |
| C2 | 開胸手術(胸壁切開による胸腔・縦隔に達する手術) | 12日間 |
| C3 | 開腹手術(腹腔・骨盤腔・後腹膜腔への手術) | 7日間 |
| C4 | 骨の手術(骨切除、関節置換、骨悪性腫瘍等) | 11日間 |
| C5 | 胸腔鏡・腹腔鏡手術(胸腔/腹腔・骨盤腔への達成) | 5日間 |
| C6 | 全身麻酔・脊椎麻酔下の他手術(C1–C5以外) | 5日間 |
| C7-1 | 経皮的血管内治療(t‑PA療法、ステントなど) | 5日間 |
| C7-2 | 心院治療・デバイス植込み(焼灼、ペースメーカー) | 5日間 |
| C7-3 | 侵襲的消化器治療(ESD・止血術など) | 5日間 |
補足事項(共通ルール)
- 検査のみは評価対象外です。必ず「手術または治療行為」が伴わなければなりません。
- 同一入院中での一連の再手術・再治療は原則、初回のみ評価対象です。例外は予定された二期的手術のみ双方評価対象になります。
- 複数手術を同日に行った場合は「主たる病名に起因する手術」で評価し、それぞれが主たる疾患であれば日付を変えて評価可能です。
このように、2024年改定では評価区分コードC1〜C7が明確化され、評価期間も具体的に設定されています。
2024年改定のポイント(C項目)
急性期一般入院料1ではA項目+C項目で重症度判定 → B項目は除外。
C項目自体の 定義・評価期間は大きな変更なし。
Kコードの整理 により、一部治療の「含まれない/含まれる」の範囲が明確化された。
「術当日を含む評価日数」の考え方が改めて強調された。












