目次
- 1 看護必要度 A項目 モニタリング及び処置等
- 2 A1 創傷処置
- 3 A2 呼吸ケア(喀痰吸引の場合を除く)
- 4 A3 注射薬剤3種類以上の管理(2022年の改定で新たに追加)
- 5 A4 シリンジポンプの管理
- 6 A5 輸血や血液製剤の管理
- 7 A6 専門的な治療・処置
- 8 A7 救急搬送後の入院
- 9 看護必要度B項目 患者の状況等
- 10 B8 寝返り
- 11 B9 移乗
- 12 B10 口腔清潔
- 13 B11 食事摂取
- 14 B12 衣服の着脱
- 15 B13 診療・療養上の指示が通じる
- 16 B14 危険行動
- 17 看護必要度C項目 手術等の医学的状況 Kコード一覧
- 18 C15 開頭手術(13日間)
- 19 C16 開胸手術(12日間)
- 20 C17 開腹手術(7日間)
- 21 C18 骨の手術(11日間)
- 22 C19 胸腔鏡・腹腔鏡手術(5日間)
- 23 C20 全身麻酔・脊椎麻酔の手術(5日間)
- 24 C21 救命等に係る内科的治療
- 25 C22 別に定める検査(2日間)
- 26 C23 別に定める検査(6日間)
看護必要度 A項目 モニタリング及び処置等

A1 創傷処置
【定義】
創傷処置は、①創傷の処置(褥瘡処置を除く)、②褥瘡の処置のいずれかの処置について、看護師等が医師の介助をした場合、あるいは看護師等が自ら処置を実施した場合に評価する項目である。
【判断基準】
「なし」 創傷処置のいずれも実施しなかった場合をいう。
「あり」 創傷処置のいずれかを実施した場合をいう。
【留意点】
創傷処置に含まれる内容は、各定義及び留意点に基づいて判断すること。
① 創傷の処置(褥瘡処置を除く)
【定義】
創傷の処置(褥瘡処置を除く)は、創傷があり、創傷についての処置を実施した場合に評価する項目である。
【留意点】
ここでいう創傷とは、皮膚・粘膜が破綻をきたした状態であり、その数、深さ、範囲の程度は問わない。縫合創は創傷処置の対象に含めるが、縫合のない穿刺創は含めない。粘膜は、鼻・口腔・膣・肛門の粘膜であって、外部から粘膜が破綻をきたしている状態であることが目視できる場合に限り含める。気管切開口、胃瘻、ストーマ等の造設から抜糸まで、及び、滲出が見られ処置を必要とする場合は含めるが、瘻孔として確立した状態は含めない。ここでいう処置とは、創傷の治癒を促し感染を予防する目的で、洗浄、消毒、止血、薬剤の注入・塗布、ガーゼ・フィルム材等の創傷被覆材の貼付・交換等の処置を実施した場合をいい、診察、観察だけの場合やガーゼを剥がすだけの場合は含めない。また、VAC 療法(陰圧閉鎖療法)、眼科手術後の点眼及び排泄物の処理に関するストーマ処置は含めない。
② 褥瘡の処置
【定義】
褥瘡の処置は、褥瘡があり、褥瘡についての処置を実施した場合に評価する項目である。
【留意点】
ここでいう褥瘡とは、NPUAP 分類Ⅱ度以上又は DESIGN-R 2020分類 d2 以上の状態をいう。この状態に達していないものは、褥瘡処置の対象に含めない。ここでいう処置とは、褥瘡に対して、洗浄、消毒、止血、薬剤の注入・塗布、ガーゼ・フィルム材等の創傷被覆材の貼付・交換等の処置を実施した場合をいい、診察・観察だけの場合やガーゼを剥がすだけの場合は含めない。また、VAC 療法(陰圧閉鎖療法)は含めない。
【参考】
A2 呼吸ケア(喀痰吸引の場合を除く)
【項目の定義】
呼吸ケアは、酸素吸入、痰を出すための体位ドレナージ、スクウィージングのいずれかの処置に対して、看護師等が自ら行うか医師の介助を行った場合、あるいは人工換気が必要な患者に対して、看護師等が装着中の人工呼吸器の管理を行った場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
「なし」 呼吸ケアを実施しなかった場合をいう。
「あり」 呼吸ケアを実施した場合をいう。
【判断に際しての留意点】
喀痰の吸引のみの場合は呼吸ケアの対象に含めない。呼吸ケアにおける時間の長さや回数は問わない。酸素吸入の方法は問わない。人工呼吸器の種類や設定内容、あるいは気道確保の方法については問わないが、看護師等が、患者の人工呼吸器の装着状態の確認、換気状況の確認、機器の作動確認等の管理を実施している必要がある。また、人工呼吸器の使用に関する医師の指示が必要である。 NPPV(非侵襲的陽圧換気)の実施は含める。なお、気管切開の患者が喀痰吸引を行っているだけの場合は含めない。また、エアウェイ挿入、ネブライザー吸入は呼吸ケアには含めない。
A3 注射薬剤3種類以上の管理(2022年の改定で新たに追加)
項目の定義
注射薬剤3本以上の管理は、注射により投与した薬剤の種類数が3種類以上であって、当該注射に係る管理を行った場合に評価する項目である。
選択の判断基準
「なし」 注射により投与した薬剤が3種類に満たない場合をいう。
「あり」 注射により投与した薬剤が3種類以上の場合をいう。
判断に際しての留意点
施行の回数や時間の長さ、注射方法、注射針の刺入個所の数は問わない。注射薬剤については、EF統合ファイルにおけるデータ区分コードが30番台(注射)の薬剤に限り、評価の対象になる。ただし、血液代用剤、透析用剤、検査用剤、他の項目の評価対象となっている薬剤等、別表のコード一覧に掲げる薬剤は種類数の対象から除くこと。なお、厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」において示している「成分名」が同一である場合には、1種類として数えること。また、健康保険法第85条第1項及び高齢者医療確保法第75条第1項に規定する入院時食事療養費に係る食事療法又は健康保険法第85条の2第1項及び高齢者医療確保法第75条第1項に規定する入院時生活療養費に係る生活療法の食事の提供たる療養を受けている患者に対して投与されたビタミン剤については、当該患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝異常であることが明らかであり、かつ、必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合その他これに準ずる場合であって、医師が当該ビタミン剤の注射が有効であると判断した場合を除き、これを薬剤種類数の対象としない。
A4 シリンジポンプの管理
【項目の定義】
シリンジポンプの管理は、末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して、静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたりシリンジポンプを使用し、看護師等が使用状況(投与時間、投与量等)を管理している場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
「なし」 末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたりシリンジポンプの管理をしなかった場合をいう。
「あり」 末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入を行うにあたりシリンジポンプの管理をした場合をいう。
【判断に際しての留意点】
末梢静脈・中心静脈・硬膜外・動脈・皮下に対して、静脈注射・輸液・輸血・血液製剤・薬液の微量持続注入をシリンジポンプにセットしていても、作動させていない場合には使用していないものとする。携帯用であってもシリンジポンプの管理の対象に含めるが、PCA(自己調節鎮痛法)によるシリンジポンプは、看護師等が投与時間と投与量の両方の管理を行い、持続的に注入している場合のみ含める。
A5 輸血や血液製剤の管理
【項目の定義】
輸血や血液製剤の管理は、輸血(全血、濃厚赤血球、新鮮凍結血漿等)や血液製剤(アルブミン製剤等)の投与について、血管を通して行った場合、その投与後の状況を看護師等が管理した場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
「なし」 輸血や血液製剤を使用状況の管理をしなかった場合をいう。
「あり」 輸血や血液製剤を使用状況の管理をした場合をいう。
【判断に際しての留意点】

A6 専門的な治療・処置
【項目の定義】
専門的な治療・処置は、①抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)、②抗悪性腫瘍剤の内服の管理、③麻薬注射薬の使用(注射剤のみ)、④麻薬の内服・貼付・坐剤の管理、⑤放射線治療、⑥免疫抑制剤の使用、⑦昇圧剤の使用(注射剤のみ)、⑧抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)、⑨抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用、⑩ドレナージの管理のいずれかの処置・治療を実施した場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
「なし」 専門的な治療・処置を実施しなかった場合をいう。
「あり」 専門的な治療・処置を一つ以上実施した場合をいう。
【判断に際しての留意点】
専門的な治療・処置に含まれる内容は、各定義及び留意点に基づいて判断すること。
A7 救急搬送後の入院
【項目の定義】
救急搬送後の入院は、救急用の自動車(市町村または都道府県の救急業務を行うための救急隊の救急自動車に限る)又は救急医療用ヘリコプターにより当該医療機関に搬送され、入院した場合に評価する項目である。
【判断基準】
「なし」救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプター以外により搬送され入院した場合をいう。
「あり」 救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプターにより搬送され入院した場合をいう。
【判断に際しての留意点】
救急搬送後の患者が、直接、評価対象病院に入院した場合のみを評価の対象とし、救命救急病棟、ICU等の治療室にいったん入院した場合は、評価の対象に含めない。ただし手術室を経由して評価対象病棟に入院した場合は評価の対象に含める。 誘因当日含め、5日間を評価の対象とする。
看護必要度B項目 患者の状況等

B項目共通事項
- 義手・義足・コルセット等の装具を使用している場合には、装具を装着した後の状態に基づいて評価を行う。
- 評価時間帯のうちに状態が変わった場合には、自立度の低い方の状態をもとに評価を行うこと。
- 医師の指示によって、当該動作が制限されている場合には、「できない」又は「全介助」とする。この場合、医師の指示に係る記録があること。
- 当該動作が制限されていない場合には、動作を促し、観察した結果を評価すること。動作の確認をしなかった場合には、通常、介助が必要な状態であっても「できる」又は「介助なし」とする。
- ただし、動作が禁止されているにもかかわらず、患者が無断で当該動作を行ってしまった場合には「できる」とする。
B8 寝返り
【項目の定義】
寝返りが自分でできるかどうか、あるいはベッド柵、ひも、バー、サイドレール等の何かにつかまればできるかどうかを評価する項目である。ここでいう『寝返り』とは、仰臥位から(左右どちらかの)側臥位になる動作である。
【選択肢の判断基準】
「できる」何にもつかまらず、寝返り(片側だけでよい)が1人でできる場合をいう。
「何かにつかまればできる」 ベッド柵、ひも、バー、サイドレール等の何かにつかまれば1人で寝返りができる場合をいう。
「できない」 介助なしでは1人で寝返りができない等、寝返りに何らかの介助が必要な場合をいう。
【判断に際しての留意点】
「何かにつかまればできる」状態とは、看護師等が事前に環境を整えておくことによって患者自身が1人で寝返りができる状態であり、寝返りの際に、ベッド柵に患者の手をつかまらせる等の介助を看護師等が行っている場合は「できない」となる。
B9 移乗
【項目の定義】
移乗が自分でできるかどうか、あるいは看護師等が見守りや介助を行っているかどうかを評価する項目である。ここでいう『移乗』とは、「ベッドから車椅子へ」、「ベッドからストレッチャーへ」、「車椅子からポータブルトイレへ」等、乗り移ることである。
【選択肢の判断基準】
「介助なし」 介助なしで移乗できる場合をいう。這って動いても、移乗が自分でできる場合も含む。
「一部介助」 直接介助をする必要はないが事故等がないように見守る場合、あるいは自分では移乗ができないため他者が手を添える、体幹を支える等の一部介助が行われている場合をいう。
「全介助」 自分では移乗が全くできないために、他者が抱える、運ぶ等の全面的に介助が行われている場合をいう。
【判断に際しての留意点】
車椅子等への移乗の際に、立つ、向きを変える、数歩動く等に対して、患者自身も行い(力が出せており)、看護師等が介助を行っている場合は、「一部介助が必要」となるで注意が必要。移乗が制限されていないにもかかわらず、看護師等が移乗を行わなかった場合は、「介助なし」とする。
B10 口腔清潔
【項目の定義】
口腔内を清潔にするための一連の行為が自分でできるかどうか、あるいは看護師等が見守りや介助を行っているかどうかを評価する項目である。一連の行為とは、歯ブラシやうがい用の水等を用意する、歯磨き粉を歯ブラシにつける等の準備、歯磨き中の見守りや指示、磨き残しの確認等も含む。口腔清潔に際して、車椅子に移乗する、洗面所まで移動する等の行為は、口腔清潔に関する一連の行為には含まれない。
【選択肢の判断基準】
「できる」 口腔清潔に関する一連の行為すべてが自分でできる場合をいう。
「できない」 口腔清潔に関する一連の行為のうち部分的、あるいはすべてに介助が行われている場合をいう。
【判断に際しての留意点】
口腔内の清潔には、『歯磨き、うがい、口腔内清拭、舌のケア等の介助から義歯の手入れ、挿管中の吸引による口腔洗浄、ポピドンヨード剤等の薬剤による洗浄』も含まれる。舌や口腔内の硼砂グリセリンの塗布、口腔内吸引のみは口腔内清潔に含まない。また、歯がない場合は、うがいや義歯の清潔等、口腔内の清潔に関する類似の行為が行われているかどうかに基づいて判断する。ただし、口腔清潔が制限されていないにも関わらず、看護師等が口腔清潔を行わなかった場合は、「できる」とする。
B11 食事摂取
【項目の定義】
食事介助の状況を評価する項目である。ここでいう食事摂取とは、経口栄養、経管栄養を含み、朝食、昼食、夕食、補食等、個々の食事単位で評価を行う。中心静脈栄養は含まれない。食事摂取の介助は、患者が食事を摂るための介助、患者に応じた食事環境を整える食卓上の介助をいう。厨房での調理、配膳、後片付け、食べこぼしの掃除、車椅子に座らせる、エプロンをかける等は含まれない。
【選択肢の判断基準】
「介助なし」介助・見守りなしに自分で食事が摂取できる場合をいう。箸やスプーンのほかに、自助具等を使用する場合も含まれる。食止めや絶食となっている場合は、介助は発生しないので「介助なし」とする。
「一部介助」必要に応じて、食事摂取の行為の一部を介助する場合をいう。また、食卓で食べやすいように配慮する行為(小さく切る、ほぐす、皮をむく、魚の骨をとる、蓋をはずす等)が行われている場合をいう。必要に応じたセッティング(食べやすいように配慮する行為)等、食事中に1つでも介助すれば「一部介助」とする。見守りや指示が必要な場合も含まれる。
「全介助」自分では全く食べることができず全面的に介助されている場合をいい、食事開始から終了までにすべてに介助を要した場合は「全介助」とする。
【判断に際しての留意点】
食事は、種類は問わず、一般(普通)食、プリン等の経口訓練食、水分補給食、経管栄養すべてをさし、摂取量は問わない。経管栄養の評価も、全面的に看護師等が行っている場合は「全介助」となり、患者が自立して1人で行った場合は「介助なし」となる。ただし、経口栄養と経管栄養のいずれも行っている場合は、「自立度の低い方」で評価する。家族が行った行為、食欲の観察は含めない。また、看護師等が行う、パンの袋切り、食事の温め、果物の皮むき、卵の殻むき等は「一部介助」とする。セッティングしても患者が食事摂取を拒否した場合は「介助なし」とする。
B12 衣服の着脱
【項目の定義】
衣服の着脱を看護師等が介助する状況を評価する項目である。衣服とは、患者が日常生活上必要とし着用しているものをいう。パジャマの上衣、ズボン、寝衣、パンツ、オムツ等を含む。
【選択肢の判断基準】
「介助なし」 介助なしに自分で衣服を着たり脱いだりしている場合をいう。また、当日、衣服の着脱の介助が発生しなかった場合をいう。自助具等を使って行っている場合も含む。
「一部介助」 衣服の着脱に一部介助が行われている場合をいう。例えば、途中までは自分で行っているが、最後に看護師等がズボン・パンツ等を上げている場合等は、「一部介助」に含む。看護師等が手を出して介助はしていないが、転倒の防止等のために、見守りや指示が行われている場合等も「一部介助」とする。
「全介助」 衣服の着脱の行為すべてに介助が行われている場合をいう。患者自身が、介助を容易にするために腕を上げる、足を上げる、腰を上げる等の行為を行っても、着脱行為そのものを患者が行わず、看護師等がすべて介助した場合も「全介助」とする。
【判断に際しての留意点】
衣服の着脱に要する時間の長さは判断には関係しない。通常は自分で衣服の着脱をしているが、点滴が入っているために介助を要している場合は、その介助の状況で評価する。
B13 診療・療養上の指示が通じる
【項目の定義】
指示内容や背景疾患は問わず、診療・療養上の指示に対して、理解でき実行できるかどうかを評価する項目である
【選択肢の判断基準】
「はい」 診療・療養上の指示に対して、適切な行動が常に行われている場合、あるいは指示通りでない行動の記録がない場合をいう。
「いいえ」診療・療養上の指示に対して、指示通りでない行動が1回でもみられた場合、かつ指示通りでない行動の記録がある場合をいう。
【判断に際しての留意点】
精神科領域、意識障害等の有無等、背景疾患は問わない。指示の内容は問わないが、あくまでも診療・療養上で必要な指示であり、評価日当日の指示であること、及びその指示が適切な時刻に行われた状態で評価されることを前提とする。医師の話を理解したように見えても、意識障害等により指示を理解できない場合や、自分なりの解釈を行い結果的に、療養上の指示から外れた行動をした場合は「いいえ」とする。少しでも反応があやふやであったり、何回も同様のことを言ってきたり、看護師等の指示と違う行動をするようであれば、「いいえ」と判断する。
B14 危険行動
【項目の定義】
患者の危険行動の有無を評価する項目である。ここでいう「危険行動」は、「治療・検査中のチューブ類・点滴ルート等の自己抜去、転倒・転落、自傷行為」の発生または「そのまま放置すれば危険行動に至ると判断する行動」を過去1週間以内の評価対象期間に看護職員等が確認した場合をいう。
【選択肢の判断基準】
「ない」 過去1週間以内に危険行動がなかった場合をいう。
「ある」過去1週間以内に危険行動があった場合をいう。
【判断に際しての留意点】
患者の危険行動にあたっては、適時のアセスメントと適切な対応、並びに日々の評価を前提としている。この項目は、その上で、なお発生が予測できなかった危険行動の事実とその対応の手間を評価する項目であり、対策をもたない状況下で発生している危険行動の有無を評価するものではない。認知症等の有無や、日常生活動作能力の低下等の危険行動を起こす疾患・原因等の背景や、行動の持続時間等の程度を判断の基準としない。なお、病室での喫煙や大声を出す・暴力を振るう等の、いわゆる迷惑行為は、この項目での定義における「危険行動」には含めない。
看護必要度C項目 手術等の医学的状況 Kコード一覧
C項目共通事項の概要
- 検査のみを実施した場合には評価の対象とはならない
- 同一疾患に起因した一連の再手術の場合は初回の手術のみ評価の対象
- 判断基準に示された術当日からの期間については術当日を含む日数
【対象手術等】
医科診療報酬点数表第2章第10部第1節第1款から第11款に掲げる手術を実施した場合、または、経皮的血管内治療としてp-TA療法を実施した場合であって、各項目の定義に該当する場合について評価する項目である。手術等の実施が当該医療機関内であれば、評価の対象場所に含める。
【検査または処置】
医科診療報酬点数表第2章第3部に掲げる検査または第9部に掲げる処置に引き続きC項目の定義に該当する手術等を実施した場合は評価の対象となるが、検査または処置のみを実施した場合には評価の対象とならないものであること。
【評価の判断】
C項目の評価については、医師または看護職員の判断により行われるものであること。
【同一日の手術等】
同一入院中の同一日に複数の手術等を実施し、該当項目が複数になる場合は、主たる病名に起因する該当項目で評価を行うこと。
【異なる日の手術等】
同一入院中に複数の手術等を実施し、実施日が異なる場合には、それぞれの手術日から起算して評価が可能であるものであること。ただし、同一疾患に起因した一連の再手術の場合は、初回の手術のみ評価の対象とすること。
【手術領域】
手術領域が複数にわたる場合には、主たる領域で評価を行うものであること。
【対象期間】
選択肢の判断基準に示された術当日からの期間については、術当日を含む日数であること。
C15 開頭手術(13日間)
【項目の定義】
開頭手術は、開頭により頭蓋内に達する方法により手術が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 手術等の部位が頭蓋内(硬膜外を含む)である
- 開頭により頭蓋内に達する方法による手術である
- 術当日より13日間以内である
※穿頭及び内視鏡下に行われた手術は含めない。
C16 開胸手術(12日間)
【項目の定義】
開胸手術は、胸壁を切開して胸腔に達する方法(胸骨正中切開により縦隔に達するものも含む)により手が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 手術の部位が胸腔内である
- 胸壁を切開し胸腔内に達する方法(胸骨正中切開により縦隔に達するものも含む)による手術である
- 術当日より12日間以内である
※胸腔鏡下に行われた手術は含めない。
C17 開腹手術(7日間)
【項目の定義】
開腹手術は、腹壁を切開し腹腔・骨盤腔内の臓器に達する方法(腹膜を切開せず後腹膜腔の臓器に達する場合を含む)により手術が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 手術の部位が腹腔・骨盤腔内の臓器である
- 腹壁を切開し腹腔・骨盤腔内の臓器に達する方法(腹膜を切開せず後腹膜腔の臓器に達する場合を含む)による手術
- 術当日より7日間以内である
※腹腔鏡下に行われた手術は含めない。
C18 骨の手術(11日間)
【項目の定義】
骨の手術は、骨切り若しくは骨の切除・移植を要する手術(指(手、足)の手術は除く)、関節置換・骨頭挿入に係る手術、下肢・骨盤の骨接合に係る手術(指(足)は除く)、脊椎固定に係る手術又は骨悪性腫瘍に係る手術が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 手術の部位が骨である
- 骨切り若しくは骨の切除・移植を要する手術である(指(手、足)は除く)
- 関節置換・骨頭挿入に係る手術である
- 下肢・骨盤の骨接合に係る手術である(指(足)は除く)
- 脊椎固定に係る手術又は骨悪性腫瘍に係る手術である
- 術当日より11日間以内である
※手と足の指の骨は、骨悪性腫瘍に係る手術以外では評価しない。
【次の手術は含まれない】
・K033筋膜移植術
・K034腱切離・切除術(関節鏡下によるものを含む)
・K035腱剥離術(関節鏡下によるものを含む)
・K035-2腱滑膜切除術
・K037腱縫合術
・K037-3アキレス腱断裂手術
・K039腱移植術(人工腱形成術を含む)
・K040腱移行術
・K042骨穿孔術
・K043骨掻爬術
・K044骨折非観血的整復術
・K061関節脱臼非観血的整復術
・K066関節滑膜切除術
・K066-2関節鏡下関節滑膜切除術
・K066-4関節鏡下滑液膜摘出術
・K067関節鼠摘出手術
・K067-2関節鏡下関節鼠摘出手術
・抜釘術
- 次の手術は含まれる(ただし、軟骨のみの操作、開窓・穿孔のみの操作は対象とならない)
・頭頸部の骨の切除
・移植を要する手術(K320アブミ骨摘出術・可動化手術など)
・K439下顎骨悪性腫瘍手術
・K442上顎骨悪性腫瘍手術
C19 胸腔鏡・腹腔鏡手術(5日間)
【項目の定義】
胸腔鏡・腹腔鏡手術は、胸腔鏡下に胸腔に達する手術(縦隔に達するものも含む)又は腹腔鏡下に腹腔・骨盤腔内の臓器に達する手術(後腹膜腔の臓器に達する場合も含む)が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 手術の部位が胸腔鏡または腹腔・骨盤腔内の臓器である
- 胸腔鏡下に胸腔に達する手術(縦隔に達するものも含む)である
- 腹腔鏡下に腹腔・骨盤腔内の臓器に達する手術(後腹膜腔の臓器に達する場合も含む)である
- 術当日より5日間以内である
C20 全身麻酔・脊椎麻酔の手術(5日間)
【項目の定義】
全身麻酔・脊椎麻酔の手術は、C1開頭手術からC5胸腔鏡・腹腔鏡手術の定義に該当しないもので、全身麻酔下または脊椎麻酔下に手術が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- C1開頭手術からC5胸腔鏡・腹腔鏡手術までの定義に該当しないものである
- 全身麻酔下、脊椎麻酔下に行われた手術である
- 術当日より5日間以内である
C21 救命等に係る内科的治療
①経皮的血管内治療(5日間)
【項目の定義】
経皮的血管内治療は、経皮的な血管内治療、t-PA療法、冠動脈カテーテル治療、胸部もしくは腹部のステントグラフト挿入術または選択的血管塞栓による止血術が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 経皮的な脳血管内治療である
- t-PA療法である
- 冠動脈カテーテル治療である
- 胸部又は腹部のステントグラフト挿入術である
- 選択的血管塞栓による止血術である
- 当該治療当日より5日間以内である
※検査のみの場合は含めない。
②経皮的心筋焼灼術等の治療(5日間)
【項目の定義】
経皮的心筋焼灼術等の治療は、経皮的心筋焼灼術、体外ペースメーキング術、ペースメーカー移植術または除細動器移植術が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 経皮的心筋焼灼術である
- 体外ペースメーキング術である
- ペースメーカー移植術である
- 除細動器移植術である
- 当該治療当日より5日間以内である
※ペースメーカー交換術及び除細動器交換術は含めない。
※体外ペースメーキング術は、1入院中に初回に実施した日から2日間までに限り評価できる。
③侵襲的な消化器治療(5日間)
【項目の定義】
侵襲的な消化器治療は、内視鏡による胆道・膵管に係る治療、内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術、肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法または緊急時の内視鏡による消化管止血術が行われた場合に評価する項目である。
【選択肢の判断基準】
- 内視鏡による胆道・膵管に係る治療である
- 内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術である
- 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法である
- 緊急時の内視鏡による消化管止血術である
- 当該治療当日より5日間以内である
※検査のみの場合は含めない。
※内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜切除術又は内視鏡的ポリープ切除術を実施した場合は含めない。
※緊急時の内視鏡による消化管止血術は、慢性疾患に対して予定された止血術や硬化療法を行う場合、同一病変について1入院中に再止血を行う場合、内視鏡治療に起因する出血に対して行った場合等は含めない。
【次の手術は含まれる】
・K178脳血管内手術
・K178-2経皮的脳血管形成術
・K178-3経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術
・K178-4経皮的脳血栓回収術
・K546経皮的冠動脈形成術
・K547経皮的冠動脈粥腫切除術
・K548経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)
・K549経皮的冠動脈ステント留置術
・K550冠動脈内血栓溶解療法
・K550-2経皮的冠動脈血栓吸引術
・K570-3経皮的肺動脈形成術
・K595経皮的カテーテル心筋焼灼術
・K595-2経皮的中隔心筋焼灼術
・K682-3内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術
・K685内視鏡的胆道結石除去術
・K686内視鏡的胆道拡張術
・K687内視鏡的乳頭切開術
・K688内視鏡的胆道ステント留置術
・K708-3内視鏡的膵管ステント留置術
・肝動脈塞栓術
【次の手術は含まれない】
・K682-2経皮的胆管ドレナージ術
・K689経皮経肝胆管ステント挿入術
・K691-2経皮的肝膿瘍ドレナージ術
C22 別に定める検査(2日間)
【選択肢の判断基準】
評価日においてコード一覧に掲載されているコードが入力されている場合又は当該コードに係る検査の実施当日から2日間の場合、「あり」とする。
C23 別に定める検査(6日間)
【選択肢の判断基準】
評価日においてコード一覧に掲載されているコードが入力されている場合又は当該コードに係る検査の実施当日から6日間の場合、「あり」とする。