【レジリエンス】定義と意味についてのわかりやすい解説

海辺でヨガのポーズをとる人のシルエット
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レジリエンスとは何か?その定義と意味について

レジリエンスとは「しなやかな強さ」のこと

レジリエンス(Resilience)とは「回復力」「復元力」あるいは「弾力性」とも訳される言葉で、近年よく聞かれる言葉です。元々は物理用語や生態学の用語として知られる言葉ですが、最近ではとりわけ心理学の分野でよく聞かれる言葉です。

レジリエンスには明確な定義はありません。分野によっても定義が異なっています。そういった意味では定義が曖昧な言葉とさえいえます。逆にいえば、明確な定義がないからこそ様々な分野において注目されているのかもしれません。

つまりレジリエンスという言葉そのものが、とてもレジリエンスがある言葉といえます。一義性がないからこそ、柔軟に個人や組織といった様々な状況、環境に対応できるわけです。

レジリエンスの意味を理解するには言葉の意味を追っても、なかなかピンと来ないかもしれません。「回復力」「復元力」と言っても、かなりザックリとしたイメージしか湧かないでしょう。

レジリエンスを理解する上で、もっとも適切な言葉は「しなやかさ」という言葉だと思います。イメージ的には堅い感じではなく、より柔軟なイメージです。

ときどきレジリエンスを「強さ」というイメージで捉えている場合も見受けられます。しかし、強さという言葉には色んな文脈があり、少し曖昧な気がします。

「強さ」というのは相対的に意味が変わるものです。ある環境では「強さ」とされる性質が、別の環境では弱さに変わる場合もあります。

例えば海を泳ぐ魚が水中に「強い」という特性があっても、地上ではその強みが「弱さ」に変わります。会社では部下に恐れられる厳格な上司が、家庭では奥さんに頭があがらないことなんてよくありますよね?笑

つまり「強さ」の概念とは状況によって変わるわけです。

レジリエンスを「強さ」と解釈している場合に混同しやすい概念に「ストレングス」と「ロバストネス」があります。

ストレングスとは「逞しさ」「力強さ」などのことです。

ロバストネスとは「頑強さ」「堅牢性」などのことです。

レジリエンスはこれらの意味よりも、ずっと柔軟な強さです。

木の枝も堅い場合、意外なほどあっさり「ポキッ!」折れますが、しなやかな枝はなかなか折れません。「しなやか」というのは、釣竿のようなものです。釣竿は大きな負荷がかかっても簡単には折れません。しかも負荷がかからなくなれば、通常の形状に戻ってしまいます。

レジリエンスとは簡単にいうと「しなやかな強さ」のことなのです。

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レジリエンスの仕組みとメカニズム

レジリエンスとは望ましくない状況を跳ね返す力

レジリエンスの意味を解説した概念図

レジリエンスには弾力性があります。

弾力性とは「跳ね返す力」とも言えるかもしれません。例えば個人に対して強いプレッシャーやストレスが襲っても、それを跳ね返す心の柔軟性や強さがあれば困難を克服できるでしょう。

しかし、もしプレッシャーやストレスを跳ね返す力、つまりレジリエンスが不足していれば、心が折れてしまうかもしれません。

この跳ね返す力が不足し、ストレスに襲われた状態になることを「レジームシフト」と呼びます。

レジームシフトとは、元の状態とは違う状態になってしまうことです。

レジリエンスの仕組みやメカニズムを知る上で、このレジームシフトの概念は非常に重要です。なぜならレジリエンス自体も「レジームシフト」だからです。

レジリエンスが回復力や復元力と言われる所以もここにあります。

回復あるいは復元という言葉が使われるくらいですから、1度は回復すべき状態、復元すべき状態になっているわけです。つまりそこで1度レジームシフトが起きています。

そして、その状態を元の状態に回復あるいは復元するなら、もう1度レジームシフトをする必要がありますよね?

つまりレジリエンスは「2度目のレジームシフト」といえるかもしれません。望ましくない状況や環境を正常な望ましい方向へと押し戻す働きです。

レジリエンスと心理学

折れない心、そして再起する力

レジリエンスの対義語があるとしたら、どんな言葉でしょう?

レジリエンスとは「しなやかな強さ」です。その特性である「しなやかさ」「強さ」を失った状態、つまり「脆弱性」です。

脆弱とは「もろくて弱い」という意味ですから、逆境によって簡単に折れてしまいそうな気がします。よく「心が折れる」という言葉によって挫折感や心の落ち込みを表現することがありますが、まさにその状態に留まることがレジリエンスを失っている状態といえます。

レジリエンスを単なる「強さ」と表現しない理由もここにあります。望ましくない状態に留まらないという部分です。

人は誰でも落ち込むことがあるものです。心が折れてしまうこともあるかもしれません。しかし、レジリエンスがある人というのは、むしろその逆境を糧にして大きく飛躍のチャンスに変えていったりするのです。

つまり、ここで強調しておきたいのは、レジリエンスとは「落ち込まない」「心が折れない」という強さではなく、その状態から再起する力だということです。

それでは次にレジリエンスとは、どのような構造なのかみていきましょう。

レジリエンスの大切な5つの要素

レジリエンスに大切な要素の説明図

自尊感情

自分の存在を肯定的に捉えることができることが大切です。自己肯定感と言ってもいいでしょう。この自尊感情あるいは自己肯定感はレジリエンスのある心にとって基礎となる要素です。

感情の調整(コントロール)

レジリエンスに乏しい場合の特徴として、物事に「一喜一憂」するという側面があります。感情をコントロールすることは、レジリエンスを発揮する上で非常に大切な要素です。

直面する問題に一喜一憂せず、物事を大らかに柔軟に捉えていくことが重要なのです。そのため、感情をコントロールすることは、レジリエンスのある心の条件ともいえるでしょう。

楽観性

人間は自分ではどうにもならないと感じる問題に直面した場合、無力感に襲われることが多くあります。感情をコントロールするだけでは保てない心の葛藤を打破するには、楽観的な思考や感情が大切になります。

例えば直面している問題を一時的な問題と捉えるか、それとも永続的な問題と捉えるかでは全く認識が変わってきます。「きっとこの問題も乗り越えていけるんだ」という楽観的な思考は、問題を一時的なものとして捉えることが可能になり前向きな方向に進んでいけます。

人間関係

人は何かしら関係性の中で生きています。その代表的なものが人間関係でしょう。

自分が直面した問題を他者に話したりすることによって、心が軽くなったり、貴重なアドバイスを受けたりすることってありますよね?

心を前向きにする1つの要素として、人間関係は非常に大切な要素です。

自己効力感

自己効力感とは自分が直面する問題に「自分なら大丈夫」という前向きな認識をすることをいいます。前述した自尊感情と異なる点は、自尊感情が「いま現在の自分」を前向きに捉えることであるなら、自己効力感は「いま現在の自分から未来に対する可能性への前向きさ」ということになります。

たとえ今の自分が直面する問題が大きなものに見えても、自分なら乗り越えていけるという自分への期待ともいえます。

まとめ

レジリエンスは一義的な定義はなく、分野によっても微妙に捉え方が変わります。個人のレジリエンスと組織のレジリエンスでも違う場合もあります。

しかし、レジリエンスは本質的に「しなやかな強さ」という点では変わらないと思います。どんなに強いものでも、相対的にさらに強い出来事や困難に直面したら、人は誰でも心が折れてしまいかねません。

だからこそレジリエンスのような柔軟さ、ある種の楽観性が必要となるのではないでしょうか。困難な状況や望ましくない状態を跳ね返す弾力性のある心は、主体的に多くの困難を乗り越える原動力ともなるでしょう。

「乗り越えられない困難はこない」

そう思える楽観的で前向きな発想こそ、レジリエンスを発揮する上で最も重要な要素かもしれません。

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