【看護必要度】「専門的な治療・処置」「救急搬送後の入院」2024年改定

道路を走行する救急車

A項目「専門的な治療・処置」を評価する

項目の定義

「専門的な治療・処置」は、以下の10項目のうちいずれかを実施した場合に評価する項目である。

  1. 抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)

  2. 抗悪性腫瘍剤の内服の管理

  3. 麻薬注射薬の使用(注射剤のみ)

  4. 麻薬の内服・貼付・坐剤の管理

  5. 放射線治療

  6. 免疫抑制剤の使用(注射のみ)

  7. 昇圧剤の使用(注射剤のみ)

  8. 抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)

  9. 抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用

  10. ドレナージの管理

判断基準

  • 「なし」 上記のいずれの治療・処置も実施していない場合。

  • 「あり」 上記の治療・処置を1つ以上実施した場合。

2024年改定のポイント

  • 免疫抑制剤の内服は対象外(注射のみ評価)。2020年改定で外され、2024年も据え置き。

  • 抗悪性腫瘍剤・麻薬・抗血栓薬などは、投与当日のみ評価対象。休薬中は対象外。

  • PCAによる麻薬やシリンジポンプは、看護師等が投与時間・投与量を管理している場合のみ対象

  • ドレナージは、6時間以上留置されていた場合に評価。当日設置後にすぐ抜去された場合は対象外。

  • 放射線治療は、外照射は照射日のみ、内部照射は治療期間全体を評価

A項目「救急搬送後の入院」を評価する

項目の定義

救急用の自動車(消防機関の救急車に限る)または救急医療用ヘリコプターにより当該病院に直接搬送され、入院となった場合に評価する。

判断基準

  • 「なし」 民間搬送車や自家用車など、救急車・ドクターヘリ以外で搬送された場合。

  • 「あり」 救急車または救急医療用ヘリで搬送され、入院した場合。

留意点

  • 救急搬送後、直接評価対象病棟に入院した場合に限る。

  • 救命救急センターやICU等に一度入室した場合は対象外。

  • ただし、手術室を経由して病棟に入院した場合は評価対象。

  • 搬送当日を含め、5日間が評価対象期間

改定内容まとめ(2024)

項目2022年改定2024年改定(最新)
専門的な治療・処置10項目のうち実施で評価内容維持、免疫抑制剤は注射のみ対象
投与日の扱い投与当日のみ評価継続(休薬日は対象外)
救急搬送後の入院搬送当日から5日間評価継続(範囲・定義維持)
ICU・救命救急を経由した場合評価対象外継続

まとめ

2024年改定後も「専門的な治療・処置」「救急搬送後の入院」の基本的な枠組みは維持された。

  • 専門的な治療・処置では、各薬剤や処置の**「当日のみ対象」**が一貫しており、免疫抑制剤は注射に限られる点が再確認された。

  • 救急搬送後の入院では、救急車・ドクターヘリ限定、直接入院、評価期間は5日間という要件が継続されている。

これらは現場での誤解や過剰評価を避けるために強調されており、評価基準の正確な理解と統一的な運用が求められる。

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