【看護必要度】「専門的な治療・処置」「救急搬送後の入院」2018年改定

道路を走行する救急車
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看護必要度A項目「専門的な治療・処置」を評価する

「専門的な治療・処置」の説明図

「専門的な治療・処置」の定義と判断基準・留意点

項目の定義


専門的な治療・処置は、①抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)、②抗悪性腫瘍剤の内服の管理、③麻薬注射薬の使用(注射剤のみ)、④麻薬の内服・貼付・坐剤の管理、⑤放射線治療、⑥免疫抑制剤の使用、⑦昇圧剤の使用(注射剤のみ)、⑧抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)、⑨抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用、⑩ドレナージの管理のいずれかの処置・治療を実施した場合に評価する項目である。

選択肢の判断基準


なし」 専門的な治療・処置を実施しなかった場合をいう。
あり」 専門的な治療・処置を一つ以上実施した場合をいう。

判断に際しての留意点


専門的な治療・処置に含まれる内容は、各定義及び留意点に基づいて判断すること。

① 抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)

【定義】
抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)は、固形腫瘍または血液系腫瘍を含む悪性腫瘍がある患者に対して、悪性腫瘍細胞の増殖・転移・再発の抑制、縮小、死滅、悪性腫瘍細胞増殖に関わる分子を阻害することを目的として抗悪性腫瘍の注射剤を使用した場合に評価する項目である。

※2018年の診療報酬改定によって「および」から「または」に変更されました。

【留意点】

抗悪性腫瘍剤は、殺細胞性抗がん剤、分子標的治療薬、ホルモン療法薬に大別されるが、薬剤の種類は問わない。注射薬の投与方法は、静脈内、動注、皮下注を抗悪性腫瘍剤の使用の対象に含める。

抗悪性腫瘍剤を投与した当日のみを対象に含めるが、休薬中は含めない。ただし、これらの薬剤が抗悪性腫瘍剤として用いられる場合に限り含めるが、目的外に使用された場合は含めない。

② 抗悪性腫瘍剤の内服の管理

【定義】
抗悪性腫瘍剤の内服の管理は、固形腫瘍または血液系腫瘍を含む悪性腫瘍がある患者に対して、悪性腫瘍細胞の増殖・転移・再発の抑制、縮小、死滅、又は悪性腫瘍細胞増殖に関わる分子を阻害することを目的とした薬剤を使用した場合で、看護師等による内服の管理が実施されていることを評価する項目である。

※2018年の診療報酬改定によって「および」から「または」に変更されました。

【留意点】
抗悪性腫瘍剤は、殺細胞性抗がん剤、分子標的治療薬、ホルモン療法薬に大別されるが、薬剤の種類は問わない。内服の管理が発生しており、看護師等による特別な内服管理を要する患者に対し、その管理内容に関する計画、実施、評価の記録がある場合のみを抗悪性腫瘍剤の内服の管理の対象に含める。
当該病棟の看護師等により、予め薬剤の使用に関する指導を実施した上で、内服確認及び内服後の副作用の観察をしていれば含めるが、看護師等が単に与薬のみを実施した場合は含めない。
患者が内服の自己管理をしている場合であっても、計画に基づく内服確認、内服後の副作用の観察を行っていれば含める。抗悪性腫瘍剤を内服した当日のみを含めるが、休薬中は含めない。ただし、これらの薬剤が抗悪性腫瘍剤として用いられた場合に限り含め、目的外に使用された場合は含めない。

③ 麻薬注射薬の使用(注射剤のみ)

【定義】
麻薬注射薬の使用(注射剤のみ)は、痛みのある患者に対して、中枢神経系のオピオイド受容体に作用して鎮痛作用を発現することを目的として、麻薬注射薬を使用した場合に評価する項目である。

【留意点】
ここでいう麻薬とは、「麻薬及び向精神薬取締法」により麻薬として規制されており、麻薬処方箋を発行させなければならない薬剤である。注射薬の投与の方法は、静脈内、皮下、硬膜外、くも膜下を対象に含める。麻薬を投与した当日のみを麻薬注射薬の使用の対象に含めるが、休薬中は含めない。

④麻薬の内服・貼付の管理

【定義】
麻薬の内服・貼付、坐剤の管理は、痛みのある患者に対して、中枢神経系のオピオイド受容体に作用して鎮痛作用を発現する薬剤の内服・貼付、坐剤を使用した場合で、看護師等による内服・貼付、坐剤の管理が実施されていることを評価する項目である。

【留意点】

ここでいう麻薬とは、「麻薬及び向精神薬取締法」により麻薬として規制されており、麻薬処方箋を発行させなければならない薬剤である。看護師等による麻薬の内服、貼付、もしくは坐剤の管理(肛門又は膣への挿入)が発生しており、看護師等による特別な管理を要する患者に対し、その管理内容に関する計画、実施、評価の記録がある場合にのみ、麻薬の内服、貼付、坐剤の管理の対象に含める。

当該病棟の看護師等により、予め薬剤の使用に関する指導を実施した上で、内服確認、及び内服後の副作用の確認をしていれば含めるが、看護師等が単に与薬のみを実施した場合は含めない。患者が内服、貼付、坐剤の自己管理をしている場合であっても、計画に基づく内服確認、内服後の副作用の観察をしていれば含める。麻薬の内服・貼付、坐剤を使用した当日のみを含めるが、休薬中は含めない。

⑤ 放射線治療

【定義】
放射線治療は、固形腫瘍または血液系腫瘍を含む悪性腫瘍がある患者に対して、病変部にX線、ガンマ線、電子線等の放射線を照射し、そのDNA分子間の結合破壊(電離作用)により目標病巣を死滅させることを目的とした局所療法を実施した場合に評価する項目である。

※2018年の診療報酬改定によって「および」から「または」に変更されました。

【留意点】
照射方法は、外部照射と内部照射(腔内照射、小線源治療)を問わない。放射線治療の対象には、エックス線表在治療、高エネルギー放射線治療、ガンマナイフ、直線加速器(リニアック)による定位放射線治療、全身照射、密封小線源治療、放射性同位元素内用療法を放射線治療に含む。
管理入院により、継続して内部照射を行なっている場合は、治療期間を通して評価の対象に含める。外部照射の場合は照射日のみを含めるが、外部照射の場合であっても、院外での実施は含めない。

⑥ 免疫抑制剤の管理

【定義】
免疫抑制剤の管理は、自己免疫疾患の患者に対する治療、又は、臓器移植を実施した患者に対して拒絶反応防止の目的で免疫抑制剤が使用された場合で、看護師等による注射及び内服の管理が実施されていることを評価する項目である。

【留意点】

注射及び内服による免疫抑制剤の投与を免疫抑制剤の管理の対象に含める。内服については、看護師等による特別な内服管理を要する患者に対し、内服の管理が発生しており、その管理内容に関する計画、実施、評価の記録がある場合のみを免疫抑制剤の内服の管理の対象に含める。

当該病棟の看護師等により予め薬剤の使用に関する指導を実施した上で、内服確認及び内服後の副作用の観察をしていれば含めるが、看護師等が単に与薬のみを実施した場合は含めない。

患者が内服の自己管理をしている場合であっても、計画に基づく内服確認、内服後の副作用の観察をしていれば含める。免疫抑制剤を投与した当日のみを含めるが、休薬中は含めない。ただし、これらの薬剤が免疫抑制剤として用いられる場合に限り含め、目的外に使用された場合は含めない。輸血の際に拒絶反応防止の目的で使用された場合や副作用の軽減目的で使用した場合も含めない。

⑦ 昇圧剤の使用(注射剤のみ)

【定義】
昇圧剤の使用は、ショック状態、低血圧状態、循環虚脱の患者に対して、血圧を上昇させる目的で昇圧剤を使用した場合に評価する項目である。

【留意点】
昇圧剤の注射薬を使用している場合に限り、昇圧剤の使用の対象に含める。昇圧剤を使用した当日のみを評価し、休薬中は含めない。ただし、これらの薬剤が昇圧剤として用いられる場合に限り含め、目的外に使用された場合は含めない。

⑧ 抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)

【定義】

抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)は、不整脈のある患者に対して、不整脈の発生を抑えることを目的として抗不整脈剤の注射薬を使用した場合に評価するものである。

【留意点】
抗不整脈剤の注射薬を使用している場合に限り不整脈剤の使用の対象に含める。抗不整脈剤を使用した当日のみを評価し、休薬中は含めない。ただし、これらの薬剤が抗不整脈剤として用いられる場合に限り含め、目的外に使用された場合は含めない。精神安定剤等を不整脈の抑制目的として使用した場合も含めない。

⑨ 抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用

【定義】
抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用は、冠動脈疾患、肺血栓塞栓症、脳梗塞、深部静脈血栓症等の静脈・動脈に血栓・塞栓が生じているもしくは生じることが疑われる急性疾患の患者に対して、血栓・塞栓を生じさせないもしくは減少させることを目的として、抗血栓塞栓薬を持続的に点滴した場合に評価する項目である。

【留意点】
手術の有無を問わず、薬剤の種類、量を問わない。持続的に血液凝固阻害薬(ヘパリン、ワルファリン等)、血小板凝固阻害薬(アスピリン等)、血栓溶解薬(アルテプラーゼ、アボキナーゼ〈ウロキナーゼ〉等)等を投与した場合を抗血栓塞栓薬の持続点滴の対象に含める。

抗血栓塞栓薬の持続点滴は、持続的に投与していた当日のみを評価し、休薬中は含めない。点滴ラインが設置されていても常時ロックされている場合は含めない。ただし、これらの薬剤が抗血栓塞栓薬として用いられる場合に限り含め、目的外に使用された場合は含めない。

⑩ ドレナージの管理

【定義】
ドレナージの管理とは、排液、減圧の目的として、患者の創部や体腔に誘導管(ドレーン)を継続的に留置し、滲出液や血液等を直接的に体外に誘導し、排液バッグ等に貯留する場合に評価する項目である。

【留意点】
誘導管は、当日の評価対象時間の間、継続的に留置されている場合にドレナージの管理の対象に含める。当日に設置して且つ抜去した場合は含めないが、誘導管を設置した日であって翌日も留置している場合、又は抜去した日であって前日も留置している場合は、当日に 6 時間以上留置されていた場合には含める。

胃瘻(PEG)を減圧目的で開放する場合やペンローズドレーン、フィルムドレーン等を使用し誘導する場合であっても定義に従っていれば含める。体外へ直接誘導する場合のみ評価し、体内で側副路を通す場合は含めない。

また、腹膜透析や血液透析は含めない。経尿道的な膀胱留置カテーテル(尿道バルンカテーテル)は含めないが、血尿がある場合は、血尿の状況を管理する場合に限り評価できる。VAC 療法(陰圧閉鎖療法)は、創部に誘導管(パッドが連結されている場合を含む)を留置して、定義に従った処置をしている場合は含める。定義に基づき誘導管が目的に従って継続的に留置されている場合に含めるものであるが、抜去や移動等の目的で、一時的であればクランプしていても良いものとする。

「専門的な治療・処置」を評価する場合に確認すべきこと

「専門的な治療・処置」の項目を判断する場合には、各々の治療・処置によって判断基準が異なり、それぞれに判断する際の注意点があるため注意して評価を行うようにしましょう。

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看護必要度A項目「救急搬送後の入院」を評価する

「救急搬送後の入院」の説明図

「救急搬送後の入院」の定義と判断基準・留意点

項目の定義


救急搬送後の入院は、救急用の自動車(市町村または都道府県の救急業務を行うための救急隊の救急自動車に限る)又は救急医療用ヘリコプターにより当該医療機関に搬送され、入院した場合に評価する項目である。

判断基準

なし」救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプター以外により搬送され入院した場合をいう。
あり」 救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプターにより搬送され入院した場合をいう。

判断に際しての留意点

救急搬送後の患者が、直接、評価対象病院に入院した場合のみを評価の対象とし、救命救急病棟、ICU等の治療室にいったん入院した場合は、評価の対象に含めない。

ただし手術室を経由して評価対象病棟に入院した場合は評価の対象に含める。 誘因当日含め、翌日までを評価の対象とする。

※2018年の診療報酬改定によって「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」において評価対象だったのが、「必要度Ⅱ」の項目から削除されました。「必要度Ⅰ」では評価対象。

「救急搬送後の入院」を評価する場合に確認すべきこと

「救急搬送後の入院」における救急搬送とは、救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプターにより搬送された場合を指します。つまり、それ以外の方法で搬送され入院した場合は「なし」となりますので注意が必要です。

また、救急搬送された患者が、救命救急病棟やICU等の治療室にいったん入院した場合には評価の対象に含まれないので注意しましょう。

まとめ

看護必要度A項目「専門的な治療・処置」は、①抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)、②抗悪性腫瘍剤の内服の管理、③麻薬注射薬の使用(注射剤のみ)、④麻薬の内服・貼付・坐剤の管理、⑤放射線治療、⑥免疫抑制剤の使用、⑦昇圧剤の使用(注射剤のみ)、⑧抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)、⑨抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用、⑩ドレナージの管理の10項目のいずれかを実施した場合に評価する項目です。

そのため、評価が項目ごとに違うため、実施した治療や処置を判断する場合には、それぞれに定められた判断基準を熟読し、理解を深めることが大切です。

また、「救急搬送後の入院」の項目を判断して評価する場合にも、救急搬送の形態により判断が異なること、そして、入院時の判断基準により評価が異なることに留意して評価することが必要です。

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