【新人看護師】インシデント~辞めたいと思う前に

星空を背景にポーズをとる女性
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失敗したら
初めからやり直せばいいの。

そのたびに
あなたは強くなれるのだから。

ヘレン・ケラーの家庭教師 アン・サリヴァン

新人看護師のインシデントには、経験を積んだベテラン看護師と違った傾向があります。新人だからミスをするとか、ベテランだからミスをしないということではありません。

ただ、新人看護師のインシデントの事例をみると、ベテラン看護師とは違った傾向があることがわかります。この記事では、その内容について解説していきたいと思います。

新人看護師~インシデントが続いて辞めたい

新人看護師にとって現場は学習の場でもあります。そのため、経験不足によるミス、または知識不足によるミスなどが発生しやすい時期でもあります。

新人のときは「インシデント→向いてない→辞めたい」という思考になりやすく、実際に入職して1年未満の間に7%~8%の新人看護師が離職します。

離職理由は人それぞれあるといえますが、やはり学校で学んできたことと実際の現場とのギャップやインシデントに起因する理由が多い傾向があります。

しかし、インシデントによる離職への判断は、早すぎると言わざるをえません。なぜなら、多くの新人看護師はインシデントを経験するものだからです。

大切なのはインシデントを繰り返さないように学び、経験を重ねることであり、成長することなのです。

向き不向きの判断は、インシデントという1つの出来事で安易に判断できるものではありません。もし仮に新人看護師が向き不向きの判断ができるほど看護について理解できてるのなら立派なものです。是非とも今後は、その判断力を看護の現場で発揮してください

以下の項目では、インシデントを起こしたときに、まずどのようにインシデントを学習に活かしていくかを説明していきます。

インシデントを起こして「辞めたい」と嘆くより、是非一緒にインシデントを成長の糧にして学んでいきましょう。

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新人看護師のインシデントに多いパターン

「インシデント」と一口に言っても、実は複数の段階があります。

どの段階においてインシデントの原因があったのかを振り返り、今後の業務に活かしていくかを考える必要があります。

また、新人を教育する側も、「どの段階でインシデントが起きたか」を理解してあげなければ、適切な指導や教育を行うことはできません。そのため、以下ではインシデントの段階について解説していきます。

インシデントには大きく分けて次に説明する3つの段階があります。

看護師のインシデントパターンを説明する図

「学習ベース」のインシデント

まず1つ目は「学習ベース」のインシデントです。

この学習ベースのインシデントは、インシデントが発生した業務について、そもそも理解が不十分な場合に発生します。そのため、学習ベースのインシデントは新人看護師に多くみられる傾向があります。

業務の理解不足によって起きたインシデントに対して、「行動に注意をする」という対策は不十分です。なぜなら、そもそも行動をする前に既にインシデントの原因があるからです。

そのため教育する側も、新人に対して注意を促すだけでは不十分ということになります。何が理解できていなかったから「インシデントに繋がる行動をしたのか」を把握する必要があるのです。

また、「学習ベース」のインシデントが発生した場合には、インシデントを起こした業務に関する学習が必要です。教育する側も新人に対して、教育あるいは再教育する必要があるということです。

この「学習ベース」のインシデントを無視したまま、行動を注意したとしても再びインシデントを起こす可能性が残ります。

当該インシデントを起こした業務について、インシデントを起こした新人が十分に理解できていた場合には、「学習ベース」のインシデントには当てはまりません。

「判断ベース」のインシデント

「判断ベース」のインシデントは「学習ベース」のインシデントと違い、当該業務についてしっかり理解していたのに起きたインシデントです。

つまり理解不足によって起きたのではなく、業務を行う前に適切な判断ができなかった場合のインシデントということです。この段階でのインシデントが起きた場合には、どのように判断すべきだったかを改めて再確認する必要があります。

医療現場は「判断の連続」といっても過言ではないほど、1つ1つの業務を適切に判断する必要があります。とりわけ新人看護師は、まだ業務の判断が確実に行えるとは限りません。

そのため、判断ミスによるインシデントが発生した場合には、「何を」「どう判断」すべきだったのかを振り返る必要があるのです。

「行動ベース」のインシデント

「行動ベース」のインシデントは、「理解」「判断」ともに間違っていなかったのに発生した場合をいいます。

つまり単純に誤った行動をした場合です。そのため、このパターンのミスは新人だけではなくベテランの看護師にも多くみられます。

また、この「行動ベース」のインシデントは、事故に直結しやすいパターンです。なぜなら、行動はすぐに結果につながるためです。理解不足や判断ミスは、事前に周囲の人間が間違いに気づく猶予があります。しかし、行動段階でのミスは周囲が気づいたときには、誤った行為が行われた後となっているかもしれません。

そのため、行動ベースのインシデントが発生した場合には、可能な限り注意を喚起する必要があります。

また、前述した「学習ベース」「判断ベース」のインシデントも、結果的には「行動ベース」のインシデントとなって顕在化する可能性があります。

下の図をまず確認してください。

看護師のインシデント氷山モデルの説明図

「行動ベース」のインシデントは比較的、自分でも気づきやすく周囲も気づきやすいものです。「しようとしたこと」「してしまったこと」が分かりやすいからです。

人は出来事に注目する特性があるため、行動によるミスにばかり注目してしまいがちです。しかし、実際には見えづらい部分で既にインシデントの原因が潜んでいることがあります。

どの段階でインシデントの原因があるかを理解できなければ、有効な対策を施すことも適切な指導もできません。

インシデントが発生した場合には、それが「学習ベース」か「判断ベース」か、あるいは「行動ベース」かによって今後の対応も変化するということです。

逆にいえば、「何を」「どのように」誤ったのかを理解できれば、再発を防止するための有効な対策ができるのです。

まとめ

新人看護師は当然ながら経験が浅く、仕事に慣れていません。そのため、日々の業務がそのまま学習の場ともなります。

入職して間もなく次々と覚えることがあって、きっと怒涛のような日々でしょう。その中で先輩看護師に学びながら、1つ1つの業務を一生懸命に覚えようとしているのです。そういった日々の中でミスをしてしまったり、ときにはインシデントを起こしてしまうこともあるかもしれません。

インシデントというのは「不可逆性」があります。つまり時間を巻き戻すことはできません。やり直すこともできません。

しかし、学ぶことはできます

このときに重要なのは一喜一憂することでも、辞めたいと悩むことでもありません。同様のインシデントを起こさないように振り返り、そして学ぶことなのです。

看護師は頭と身体、そして「心」で育っていきます。学習し経験し、ときに悔しい思いをしたり自分が歯がゆかったりすることもあるでしょう。

しかし重要なことは、勝つことではなく「負けないこと」なのです。

仕事で感じた悔しさは、仕事で取り返しましょう。

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