【看護目標】すらすら書ける看護師の目標と例

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看護師の目標「すらすら」書ける

「SMART」でわかりやすい看護目標を立てよう

看護の目標を書くときは、次の5つを意識した書き方をしましょう。

具体的である(Specific)

測定可能である(Measurable)

達成可能である(Achievable)

関連性があり妥当な内容である(Relevant)

期日が明確である(Time)

それぞれの頭文字をとって「SMART」と呼ばれます。

この「SMART」の要素をベースに看護目標を書くと、とても明確で伝わりやすい文章になります。

看護目標は具体的であってこそ達成できるものです。そして期限があってこそ、測定可能なものになります。そのため、「SMART」の要素を目標に盛り込んでいくだけで、より目標が明確で達成しやすいものになるのです。

このSMARTの特長は、できる限り数値化した目標を立てることができる点です。数字ほど具体的なものはありませんし、計測もしやすいです。

また、期日を明確にするのも、やはり数字です。

このことからもわかるとおり、目標というのは可能であれば数値化すると良いものになります。

数字にできない定性的な目標は6W1Hで

もちろん、すべての目標が数値化できるわけではありません。そういった場合は、具体的に言葉によって目標を立てる必要があります。

目標を立てる際にはSMARTと共に、6W1Hの要素を盛り込むと、言葉による目標も書きやすくなるのでオススメです。

【6W1H】

When(いつ)

Where(どこで)

Who(誰が)

Whom(誰に)

Why(なぜ)

What(何を)

How(どのように)

看護過程の5段階をしっかり意識する

【看護過程の5段階】

アセスメント患者に関する情報の収集と解釈、分析、評価
看護診断アセスメントの結果、看護により解決可能な問題を決定
看護計画看護診断で優先度を決定して、目標を設定、目標達成のために適切な看護を考えて計画
看護介入看護計画で決定した看護を実行
看護評価実施した看護の効果を判断、評価

看護の目標を立てる際には、看護過程をしっかり意識することが大切。

そのため、自分が担当する業務の看護過程を明確にして、それに基づいた目標を立てることが必要になります。

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目標は短期目標と中・長期目標を立てよう

看護目標の年間目標と短期目標の立て方を解説した図

目標を立てる際には、短期的な目標だけではなく中期目標・長期目標も立てましょう。段階的な目標を立てることによって、より具体的でわかりやすい目標を立てることができます。

段階的な目標を立てる際のポイントは、まず1年間の長期目標を立て、そこから逆算していくことです。まず長期目標を立てるメリットは、中期目標と短期目標で達成すべき事柄が明確になることです。

1年間の目標が決定したら、6ヶ月の時点でどのような目標を達成している必要があるのか、あるいは3ヶ月の時点にはどのような目標を達成している必要があるのかが見えてきます。

看護の全体目標と個人目標

個人の看護目標と全体の目標を解説した図

自分が所属する組織には、看護部としての全体目標があると思います。その全体目標と自分の個人目標を、しっかりリンクさせていくことも重要です。

その際に意識したいのが「コンピテンシー」です。

コンピテンシーとは「成果をだすために必要な能力」のことです。

どれだけ個人としてのスキルアップをしたとしても、それが所属する組織において全く求められていないものだと意味がありません。また、それが何ら成果に結びつかないものであっても同様です。

そのため、まず自分がどのような目標を立てるかを考える前に、必要とされる能力あるいは求められる人材像を明確に自覚していることが大切なのです。

クリニカルラダーをベースにした目標の例

病院によっては独自のクリニカルラダーを導入していることもあります。そのため、目標を立てる場合にはクリニカルラダーの有無によっても設定が変わります。そのため、個人としての目標を立てる際には、勤務する病院が設定しているクリニカルラダーをしっかり理解しておきましょう。

以下に一般的に用いられているクリニカルラダーレベルⅠ(1年目)とレベルⅡ(2年目から3年目)の例をあげていきますので参考にしてください。

【レベルⅠ(1年目)レベルⅡ(2年目から3年目)

到達目標
  1. 指導を受けながら基本的看護技術をマニュアルに沿って実践できる
  2. 自立して看護実践を安全で確実に提供できる
看護実践
  1. 患者を理解し患者やその家族と良好な人間関係を築くことができる
  2. カンファレンスでの患者情報を共有し看護実践に活用できる
管理
  1. 各病棟および他部署の役割・業務内容を理解できる
  2. チームナースとしての役割を理解し患者受け持ちができる
倫理
  1. 日本看護協会の「看護者の倫理網領」にある患者の権利の内容が理解できる
  2. 日常ケアで自分自身の倫理的問題に気づき改善できる
社会性
  1. 患者・同僚・上司の考えや意見をよく聞き、尊重できる
  2. チーム内で良好な人間関係を築くことができる
教育
  1. 主体的な自己学習の必要性が理解できる
  2. 自己の看護観から看護に対する課題を見つけることができる
研究
  1. 看護研究に関心をもつことができる
  2. 看護研究メンバーの一員として参加できる
SWOT分析の文字

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まとめ

  1. SMARTの原則に基づく看護目標の立て方:
    • 具体的(Specific)
    • 測定可能(Measurable)
    • 達成可能(Achievable)
    • 関連性があり妥当な内容(Relevant)
    • 期日が明確(Time)
  2. 6W1Hの要素を取り入れる:
    • When(いつ)
    • Where(どこで)
    • Who(誰が)
    • Whom(誰に)
    • Why(なぜ)
    • What(何を)
    • How(どのように)
  3. 看護過程の5段階を意識する:
    • アセスメント
    • 看護診断
    • 看護計画
    • 看護介入
    • 看護評価
  4. 目標の期間設定:
    • 短期目標、中期目標、長期目標を立て、段階的な達成を考える。
  5. 個人目標と看護全体の目標の関連性:
    • 組織の全体目標と個人目標をリンクさせ、コンピテンシー(成果につながる能力)を意識する。
  6. クリニカルラダーをベースにした目標の例:
    • レベルⅠ(1年目)とレベルⅡ(2年目から3年目)の到達目標やスキルの例。
  7. まとめ:
    • 看護目標は個人の成長だけでなく、看護全体の質向上に寄与するものであり、SMART原則や6W1Hの要素を取り入れつつ、組織全体の目標とリンクさせることが重要。

このまとめを通じて、看護師が個人の目標を立てる際には、具体的で測定可能な目標を期日を設定して立て、組織の全体目標との調和を考えることが大切であることが強調されています。

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