目次
看護必要度の研修は事前の準備が大切
研修を成功させるには院内の協力が不可欠
看護必要度の研修を院内で行う場合には、病院内での協力が不可欠になります。そのため、院内研修を主催して実施する担当者は、まず病院組織に対して協力を仰ぎ、事前にしっかりと準備しましょう。
協力を依頼する先は病院組織によって多少違いがありますが、通常は院長、事務長、看護部長など各々の長に依頼することが多いと思います。
また、病棟ごとに研修を実施する際には、現場の長にも協力の依頼をしましょう。
病院内で研修を行う際の取り決めがある場合には、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。承認を受ける必要がある場合にも、必ず事前に承認を受けてから研修を実施するようにしましょう。
そして、できる限り院内研修計画書を作成することをオススメします。計画書には、研修を行う目的と意義、必要性についてまとめましょう。
院内研修計画書を作成しておくと、関係者や関係部署など各々の協力を得る際に説明等が円滑にできます。これらの協力依頼、あるいは承認作業を怠ると後々トラブルの原因となる場合もあるので注意が必要です。
また、研修の時間と時間配分も重要になります。
研修の成否は、この準備段階にかかっていると言っても過言ではありません。
看護必要度~研修の流れ
①概要の講義を行う
看護必要度の研修を行う場合には、まず看護必要度の概要を講義します。
受講者のレベルによっては、「看護必要度とは何か?」という基本的な内容から講義をする必要があります。そのため、研修の際にはテキストとなる書籍あるいは資料を準備しておくことが必要です。
講義は看護必要度の意義と目的、そして各項目のアセスメント共通事項について理解を深めるために行います。
この講義は各項目(A,B,C項目)のチェックポイントを学ぶための基礎となりますので、しっかりと理解できるような内容が求められます。
②各項目(A,B,C項目)のチェックポイントを解説する
看護必要度の概要を講義した後は、各評価項目におけるチェックポイントを解説します。
チェックポイントの解説は、各項目でどのような評価を行うのか、項目別に評価すべき内容の確認と留意点を解説します。特に重要なのは「判断基準」の確認です。
必要度の評価は判断がとても重要なのと同時に、評価する項目ごとに基準が違います。そのため、評価者が勝手な基準で判断することがないように、しっかりと判断基準を理解してもらうことが大切です。
③理解度テストを実施する
講義ならびに解説が終了したら、理解度テストを実施します。理解度テストを実施する意義は主に2つあります。
まず1つは、研修における効果を測定すること。
そしてもう1つは、受講者が自分の理解度を自覚できることです。
つまり、研修を実施する側と受講者側の双方が、研修による理解度と効果を確認するために行います。もし万が一、理解が不十分な場合には、再び講義を行ったりチェックポイントの解説をする必要があります。
そのため、可能な限り受講者に対して、テスト結果のフィードバックを行うことが重要になります。
また、テストを作成する際には、判断を間違えやすい評価項目や内容を重点的に含めると効果的です。
④評価の演習を行う
評価の演習は主にビデオを活用します。
事例を用いて評価する演習を行うことで、実際の現場で適切な評価をすることができるように理解を深めます。
また、演習を行うことによって、評価者の思い込み、あるいは推測に基づく誤った理解などを確認することもできます。
演習が終了したら、受講者同士でディスカッションしてもらい、さらなる理解を促します。ディスカッションを行うことによって、適切な判断を受講者同士で共有することもできます。
看護必要度の研修を行う際の注意点
目的から逆算した研修計画を立てる
看護必要度の研修を行うにあたっては、事前に研修の目的を明確にしておくことが大切です。
研修計画を立てる際には、研修を行う目的や達成すべき理解度などから逆算した計画を立てるようにしましょう。目的やゴールの設定が甘いと、有意義な研修を行うことができません。
また、研修計画を立てる際には、研修時間や受講者の属性に配慮した計画を立てることも必要になります。計画の立て方が曖昧だと、研修の最後に理解度テストを実施しようと思っていたのに、時間が足りず出来なかったりします。そのため、時間の配分や研修の構成は非常に重要です。
まとめ
看護必要度の研修を成功させるためには、院内の協力が不可欠です。病院内での研修を主催する担当者は、まず病院組織に協力を仰ぎ、院長、事務長、看護部長などに協力を依頼する必要があります。また、病棟ごとに研修を実施する場合には、現場の長にも協力の依頼を行うべきです。
病院内での研修を行う際は、事前に院内の取り決めや承認を確認し、院内研修計画書を作成することが重要です。計画書には研修の目的、意義、必要性が含まれるべきで、関係者への説明や協力依頼に活用されます。
研修の流れとしては、まず看護必要度の概要を講義し、その後各項目のチェックポイントを解説します。理解度テストを行い、その後評価の演習を実施します。演習ではビデオを用いて事例を評価し、ディスカッションを通じて理解を深めます。
研修を成功させるための注意点としては、目的から逆算した研修計画を立て、目的やゴールを明確にすることが挙げられます。計画の立て方や研修の構成、時間配分に注意を払い、有意義な研修を実現するためにしっかりとした計画を立てることが重要です。