なぜなぜ分析とは?その意味と目的~進め方の解説

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なぜなぜ分析は望ましくない事象の根本原因を分析することができる手法です。その目的は望ましくない事象を除去ないしは軽減するために、根本原因を把握して有効な対策を実施するために行います。

この記事では、なぜなぜ分析とは何か?その意味と目的を解説するとともに、具体的な分析の進め方をわかりやすく解説していきます。

なぜなぜ分析とは何か?その意味と目的

なぜなぜ分析とは、事象の因果関係を掘り下げていくことによって、根本原因(真因)を把握するために行う分析手法です。分析対象となる事象は「なぜ起きたのか?」という問いを繰り返していくことによって、表面的な原因に囚われることなく根本的な原因に辿り着けるということです。

なぜなぜ分析の対象となる課題は、主に「望ましくない事象」です。例えば「重大事故につながる可能性のあったインシデント」や「繰り返し発生している事故」などです。

これらの問題を解決するためには、まず問題の原因を把握する必要があります。とりわけ根本的な原因を把握することによって、より効果的な対策を実施することが可能になるということです。

つまり、なぜなぜ分析を行う目的は、根本原因を把握して、改善や対策を実施し、望ましくない事象の再発を防止することです。

そしてさらに、なぜなぜ分析を行う目的は、次の3つに分けることができます。

 

なぜなぜ分析の目的を説明する図

 

なぜなぜ分析を実施すると、事象の背景が多々みえてきます。それは人間の特性的な問題かもしれませんし、組織の構造上の問題かもしれません。あるいは、物理的な因果関係が浮き彫りになってくることもあります。

いずれにしても、なぜなぜ分析を実施すると様々な要因がみえてきます。

ここで注意が必要なのは、なぜなぜ分析とは因果関係を掘り下げていく分析であって、要因(相関関係)を掘り下げる分析では無いということです。

因果とは事象に直接的に影響を与えたものであり、要因とは事象に間接的な影響を与えているものです。

一つの事象には、実に多くの要因が背景にあるものです。そのため、数多くある要因の全てに対策をしていくことは物理的に困難です。

交通事故を例にすると、事故は夕方に多く発生するといわれてます。この場合、夕方の薄暗さが事故の”要因”にはなりえます。しかし一方で、夕方に必ず事故が起きるわけではありません。夕方の環境が事故に何かしらの影響がある相関関係は認められるものの、事故の原因が「夕方だから」という結論にはなりません。

つまり「なぜなぜ分析」とは、多くの要因の中から、いかに原因を見つけ出し根本的な原因に辿り着くのかを目的としているのです。

なぜなぜ分析の目的と意義を説明した図

 

それでは次に「なぜなぜ分析」の具体的な手順と進め方を解説します。

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なぜなぜ分析のやり方と進め方

①分析の目的と課題を明確化する

なぜなぜ分析を行う場合もっとも重要なのは分析する目的と課題の明確化です。

ここで課題を間違えると、分析は「誤った課題の真因」に辿り着きます。また、「何のために分析をするのか」という目的が曖昧だと分析のための分析になってしまいます。

そのため、なぜなぜ分析を行う際には、まず分析を行う目的と課題を明確にすることが大切です。

課題を明確にする場合には、事象の何が望ましくないのかを事前に検討しましょう。その場合、以下のように表現します。

「○○(いつ)○○(どこで)○○(何が)発生したことについての分析」

仮に事象に人が関与している場合には、上記の例に加えて人名や職種を具体的に記述することも必要です。

②分析対象となる事象の経緯と背景を把握する

課題が明確になったら、次に事象の経緯と背景を把握していきます。

時系列に経緯を辿っていき、事象に至った経緯を明らかにします。

なぜなぜ分析の出来事流れ図

なぜこの時点で全体の流れを把握しておく必要があるかというと、この先の分析によって全体像がボヤけてくることが多いからです。

分析とは要素を細分化していくことですので、初期段階で全体像を把握しておかないと後々わからなくなってしまうのです。

この時系列に事象の流れを表した図のことを出来事流れ図といいます。

この作業で把握すべきことは、望ましくない事象に至った経緯と背景、そして結果です。

③的確で論理的な「なぜ」を繰り返す

そしてここからが「なぜなぜ分析」の本番となります。

出来事流れ図は時系列に事象を把握しますが、なぜなぜ分析は基本的に時間を遡っていきます。

なぜなぜ分析を進める最初の問いは、当該分析を行う必要がある「望ましくない事象」はなぜ起こったのかです。

なぜなぜ分析の進め方の見取り図

「なぜ」という問いを繰り返していく上で注意したいのは、「つながり」と「漏れ」です。

「なぜ」という問いに答えがつながっているかを随時確認しましょう。分析を進めていく中で、つながりが無い問いをしてしまうことはよくあります。

また、分析を進める中で漏れがあると、重要な部分を見落とす危険性もあります。そのため、分析を進める中で漏れがないかチェックしましょう。

なぜなぜ分析は因果関係を掘り下げていく分析です。しかし、おそらく分析の過程では、多くの要因も絡んできます。そのため、いかに要因と原因の違いを見抜いていくかがポイントとなります。

もし仮に要因を原因と勘違いして分析を進めてしまうと、本来目的としていた根本原因に辿り着くことはなく、最終的な目的である改善も対策もできなくなってしまいます。

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④根本原因の対策を立案する

なぜなぜ分析によって根本原因(真因)を把握できたら、次に根本原因を除去ないしは軽減する対策を立案します。

対策を立案する際に注意したいのは、いかに実行可能な対策を立案するかです。実行できない対策を立案しても意味がありません。また、対策が実行可能であっても、その効果が把握できなければなりません。

そのため、根本原因の対策案を立案する際には、実行が可能で評価しやすいものでなければならないのです。

⑤対策の検証と評価をする

対策を立案して実行した場合には、その対策が有効なものであったか追跡、検証、評価していかなければなりません。

なぜなぜ分析の評価を説明した図

なぜなぜ分析によって特定した根本原因も、その後に取り決めた対策も、いわば仮説に過ぎません。分析した時点で最も根本原因と”思われるもの”であり、対策も最も効果的だと”思われるもの”に過ぎないのです。

そのため、対策を実行した場合にも、それで安心せずに追跡、評価を行う必要があります。

追跡、評価の結果、対策で有効ではないと判断された場合には、改めて分析を実施するか、もしくは対策を再度見直す必要があります。

まとめ

なぜなぜ分析の目的は、あくまでも望ましくない事象の改善であり対策をすることです。根本原因(真因)を把握するのは、そのための手段であり目的ではありません。

望ましくない事象といっても、その背後には多くの要因や原因があり、真因を見つけ出すことは容易なことではありません。一つの要因にも多くの要因があり、どこまでも分析は続いてしまいかねないのです。

それだけに、いかに要因に惑わされず原因を辿っていくのかが重要になってきます。原因を上手に辿っていくには、やはり「論理のつながり」をしっかりと辿っていくことです。

分析を進める中で「なぜ?」という問いに対して正確に答えていくことが大切なのです。

また、真因を把握して対策を立案し実行してからが本当のなぜなぜ分析です。対策は有効であってはじめて意味があります。

なぜなぜ分析を行い対策を実行したら、必ずその効果を追跡し検証、評価していくことが大切です。

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