パフォーマンス評価~看護教育のUXデザイン

着物を着た女性の後ろ姿
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やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ。

話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず。

やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず。

山本五十六

看護師のパフォーマンス評価~「活用」に注目する

看護師のパフォーマンス評価の概念図

 

看護職に必要とされる能力は多岐にわたります。知識、技術、倫理、コミュニケーション、チームワーク、危機管理などなど。

これらの能力は実際に現場で活用されることによって価値を生みます。したがって、パフォーマンスにフォーカスすることにより、能力というよりも「能力の活用」を評価しようというのがパフォーマンス評価です。

看護職員一人一人の能力は、「表出」するものであるという考え方です。

パフォーマンスという可視化された部分に注目することによって、アビリティ(技術や知識など)やコンピテンシー(成果につながる行動特性)といった必ずしも表出するとは限らない内なる能力や特性ではなく、パフォーマンスとして表出したより実践的な能力を評価するということです。

看護の人材育成におけるラダー評価なども、このパフォーマンス評価に類似した考え方に基づいています。

パフォーマンス評価はルーブリック(評価基準)といわれる評価表に基づいて、能力の活用や目標の到達度を評価していきます。一方でラダー評価も、あらかじめ到達目標がレベルごとに分類されており、その評価基準や評価尺度に基づいて評価をします。

そういった意味においても、ラダー評価はパフォーマンス評価の概念を取り入れているといえます。

 

 

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看護師のパフォーマンス評価~重要な2つの概念

看護師のパフォーマンス評価の重要点を説明する図

 

看護職のパフォーマンスを評価する上で重要なのは本質的な課題と永続的な理解です。

本質的な課題とは「真正な課題」ともいわれ、その業務における本質的に必要とされる能力を伸ばすことができる課題のことです。

一方で永続的な理解とは、学んだことや経験したことを短期的にではなく、永続的に活用することができる理解のことです。

この2つの要素が機能することで、パフォーマンス評価は価値的なものとなるのです。本質的ではない課題を与えられ、それを短期的に理解するだけの人材育成や評価など悲劇です。

そのため評価者は、本質的なパフォーマンス課題を設計し、永続的な理解が得られるような仕組みを構築しなければならないのです。

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2018.04.19

看護教育のUXデザイン~体験を重視する設計

看護教育におけるUXデザインの概念図

 

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

山本五十六

冒頭でも引用したこの山本五十六の言葉には、人材教育の要諦が凝縮されています。

「やってみせ」「させてみせ」「耳を傾け」「任せて」「信頼する」、これらは「体験させる」ということに他なりません。

最近よく聞かれる言葉に「UXデザイン」というものがあります。

UXデザインのUXとはユーザーエクスペリエンスの略で、「ユーザー体験」という意味になります。

これを看護教育や人材育成に例えるなら、ユーザーとは被評価者となる看護職員一人一人であり、その職員たちの体験に目を向けるということになります。

そして体験とは、つまり「五感」の活用です。

人は思考だけで学ぶわけではありません。「からだで覚える」という言葉があるように、実際に体験したことから多くを学びます。

幸い看護教育には、他の分野以上に体験を重んじる伝統と文化があります。実習や演習、そして日々の看護実践において成長をしていくという伝統と文化です。

人材育成と評価を行う側は、教育や評価の設計(デザイン)において、「体験」というコンセプトを忘れてはなりません。もしも体験させるというコンセプトを忘れてしまえば、パフォーマンス評価はすぐに机上論となって形骸化するでしょう。

体験とは「能力の活用」そのものです。座学で学んだ事柄を実際に活用し、現場で体得していく。このことを忘れて適切な教育、評価を行うことはできません。

能力とは活用されてはじめて能力なのです。

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まとめ

パフォーマンス評価は能力ではなく活用をみる評価方法です。

パフォーマンス評価における「パフォーマンス」とは、表出した「ふるまい」のことでもあります。能力というものは必ずしも表出しているとは限りません。そのため、評価の焦点を可視化された「ふるまい」に当てることによって、より内に秘めた能力の発揮を促す作用もあるといえます。

理解や能力は、パフォーマンス評価によって全て測れるわけではありません。当然ながら可視化されない知識や経験などの能力もあります。

しかし、評価者が全ての能力を評価することは大変に難しいことです。そのため、あらかじめ評価基準を明確にして、その基準あるいは尺度に沿った「活用」を評価するのは理に適っているといえるでしょう。

活用する能力を高めるのは体験です。看護職のように入職後から少しづつ現場の業務を通じて学ぶことは、能力を高める上で非常に重要な体験なのです。

パフォーマンス評価を施設で採用する場合には、パフォーマンス課題が本質的で永続的な理解や能力を身につけることを念頭に入れて設計することが大切です。

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